べーつーに映画の演出方法に興味があるわけじゃないけどただ人に誘われたから映画美学校映画祭 にて一日『演出実習』を拝見してみた。(猫のせいで)Aプロには間に合わなかったので私が見たのは美学校の授業の一環として万田邦敏監督と大工原正樹監督の演出の授業を記録した映像のみだったのですが、映画学校に通ったこともなければ映画撮影の現場もロクに知らない者としては、単純に、同じ脚本をネタにしても監督によってこんなにも演出方法って違うもんなんだと非常に興味深く。まずは御自身の身体で演技指導する万田監督、まずは台本読みから始める大工原監督、それを学習したところで相変わらずこんな大変そうなこと自分でやってみたいなんて1グラムも思わなかったけど、見てて楽しかったです。おまけに同じ脚本を学生さんたちが撮った作品も見て、ますますやる気はなくなった。
『演出実習2009』は、美学校12期初等科生さんたちがスタッフとして西山洋市&大工原正樹&万田邦敏&井川耕一郎&古澤健&植岡喜晴監督とコラボレーションした10分程度の短編集。それぞれ、想像を遥かに上回る面白さで(一部例外も有り)プロの監督ってすげえなあと感動。個人的には万田監督の作品が一番好きだった(ふざけたタイトルは失念...)。不吉なサンタクロースが焚き火をしてる冒頭から全く似てない女ふたりを双子と言い切るラストまで、こんな実習作品に携われる若者はだいぶ贅沢なんじゃないかしら。ちょっとびっくりしたのは、古澤監督作品以外何かと肉体&性的暴力に満ちていたこと。そういうのが流行、ってわけではないと思いたい。

いじめかってくらい飲食店が閉まってる日曜日の夜の東京駅界隈をふらふらしたあと帰宅したら民主党政権が誕生してた(私が日本国籍を取得しても尚選挙に行けない理由は何回か説明した気がするので省略)。べーつーにいいんじゃないでしょうーか。しかしさすがに社民党が与党ってのは感慨深い。
  

今年一番なくらいひどいんじゃないか?という湿度の中数年ぶりに竹下通りに足を踏み入れるとそこはもう異世界。クレイジーなまでの熱気とクレイジーなまでの人ごみの中「すれ違う女全員ブス!」と叫びながら歩いてたらまんまとバチが当たって大胆に道に迷いレッスン中の姫川亜弓さんばりに汗をかきながらひーこらひーこらなんとか開演ギリギリ辿り着いた先は原宿VACANTさんでの『赤ずきんと靴跡』。青山真治監督が08年にフランスで製作した『Le Petit Chaperon Rouge』日本初公開上映&スチール写真を撮影した田村尚子さんとのトークショー&NAGAYAMA(長嶌寛幸+青山真治)ライブパフォーマンスという一夜限りの贅沢な内容となっております。
『Le petit Chaperon Rouge』日本語に訳すと『赤ずきん』(らしい)、DVDでの上映だったため贅沢な心残りはあるもののそれでもじゅーーぶん35分の短編とは思えぬ感動で胸がいっぱいに。すっごい面白かったです。まさかこんな映画だとはと想像もしてなかった分の衝撃も大きかったが、銃を構える女の姿とほんとごめんなさい初めて名前を認識したルー・カステルの存在だけで難しいことはようわからんけど超かっちょよくて、とりあえず詳細を忘れつつある『アワーミュージック』を見直したくなった。映画館でフィルム上映される機会があるならあと何回か見たい。
トークショーは、撮影にまつわるおふたりのお話も色々興味深く楽しかったのだが、立派な司会者がいるとトークっていつまでも聞いていたいと思えるんだなと今更ながら痛感した(素敵な司会を展開したジンガイ顔の関西人兄ちゃんのお名前は失礼ながら失念...)。
ライブパフォーマンスは、ゆっくり落ち着いて聴こうと思いながら喫煙所で呑んだくれてる間に終わっていた......。素敵なBGMでございました...。
帰り、久しぶりの裏原で舞う。

すいません、残暑のもののけに取り憑かれたように呑んでました。
呑み過ぎた頭で久しぶりに映画情報をチェックすると新宿のテアトルタイムズスクエアさんがあと数日で閉館するということなのでなんとなく記念にスパイク・リー監督最新作『セントアンナの奇跡』 を見に行ってみた。相変わらず急だった。あ、その前にうどん屋のおやじに軽く惚れられた。
163分と長尺、おとなしそうな黒人のおじいさんが仕事中に突然客を射殺、という事件が冒頭5分程で語られその後はひたすらイタリアの小さな村でナチスと闘うアメリカの黒人兵士4人と不思議な少年についての物語が展開(その事件とこの5人の関係もかなり後半でしかわかってこない)。『プライベートライアン』ばりに激しい戦闘シーンや実際の出来事だという(さっき知った)セントアンナの大虐殺シーンなど見てるだけでも十分辛い部分はあるものの、結論としてこれは黒人の黒人による黒人のためのおとぎ話なんだなあと感じた次第(誰かが思い出を語ってるという形式ではないけど)。そのスパイクさんの真摯さに心打たれ、色々ここはちょっとダサくてかったるいんじゃないのとか結局どういうことなのと腑に落ちなかったりとかする部分もなんかそういう細かいことはいいかと思ってしまったよのさ。さすがにもうちょっと短い方が良かったかと思うが。アメリカ人もドイツ人もとりあえず出てくる白人兵士はみんな最低というものすごい偏りっぷりだけど、たまにはいいんじゃないでしょうか。
ただ、『重力ピエロ』程ではないけれどこのラストだと正当な理由があれば人を殺してもお金で解決すればオッケー、ってことかと思えなくもないのはちょっと引っかかる。それと、でもやっぱり私が一番好きなスパイク・リー監督作品は『セレブの種』かも知れないとこっそりおもふ。

なんとなくふざけた映画の後はなんとなく真面目そうなものをと想田和弘監督『精神』を見にイメージフォーラムさんへ。監督の前作『選挙』は未見。
岡山県にあるらしい古い日本家屋のような精神病院に通う患者さんや働く人たちの生活を撮ったドキュメンタリー、監督曰く「観察映画」ということで、ナレーションやテロップなどの説明的なものは一切なし診察室の中や職員さんたちのお金の話まで見せるという作りはワイズマン風味、しかし時々挟まれる監督と相手との会話が、なんでそんなことをカメラに向かって話せるのかと見てて不安になるほど激しい内容で、でも映ってる人たちはとても静かで、単純に、よくこんな人間の姿を映画にすることができたなあと深く感心。もちろんこの映画を見て色々感じ考えるものはあるものの患者とか健常者の違いなんてうんぬんという感覚に今更感動することはないけれど、ドキュメンタリー映画としてとても立派な作品だと感動しました。ものすごく寡黙に愛情深い山本医師が自分の主治医と被って嬉しかった。さっきHPを読んで病院が全面禁煙になったと知ってちょっと寂しかった。

観賞後劇場近くにできていた花畑牧場カフェにまんまと引っかかったりしながらいつのまにか手元に前売り券があったアップリンクさんでの「傑・力・珍・怪 映画祭」 にて大畑創監督『大拳銃』伊藤淳監督『魔眼』にいやなおゆき監督『人喰い山』間野ハヤト監督『地獄に落ちたシェイクスピア』を鑑賞&黒沢清監督のトークを拝聴。噂には聞いていたが紙芝居アニメの『人喰い山』、確かにすごかった。これには度肝抜かれました。他の3つでは、私の好きな歌と踊りとビッチとエロが溢れてた点で間野監督の勝ち(どれもとてもよくできた映画だと思いましたが)。若者に突っ込まれまくる黒沢監督のお話もおもしろうございました。

仕事を終えた後わざわざ新宿まで出てアンコール上映中の某作品を見ようと劇場近くまで向うもあかんやっぱ某監督のために4時間は無理!と自分に負け結局『そんな彼なら捨てちゃえば?』(ケン・クワピス監督)を平日の午後だというのに溢れかえるギャルたちにまみれて見てしまう。嫌ってるはずの新宿ピカデリーもいつのまにかポイントが溜まってて無料鑑賞。
sex and the cityシーズン5でのキャリーの彼氏バーガーとミランダの会話(各自DVD参照のこと)に感動したドリュー・バリモアが製作総指揮(&出演)したという今作品、確かに内容も演出もSATCシーズン1(各自DVD参照のこと)そのまんま、となれば私の大好物と思いきや、やっぱりあれは一話45分完結のTVドラマ(が6年間続いた)だから面白かったわけで、それを130分の映画にされるとただひたすら薄っぺらさだけが引き延ばされた印象ばかりが残ってしまう。「一度デートした男が連絡をくれないのは何故か?」という命題は大いに興味をそそられるが(原題は「He´s just not that into you」ですけど…)。ガールズ&ボーイズトークも特に冴えてたわけでもないし、やたらと豪華な、ベン・アフレックやスカーレット・ヨハンソンやクリス・クリストファーソンという出演陣のわりには残念だったかな。旦那の嘘に苦しむジェニファー・コネリーは顔がマジ過ぎてコメディには向かないなと思った。ベン・アフレックとジェニファー・アニストンのプロポーズシーンにはちょっとぐっときてしまったが、その瞬間隣に座ってた女性客(おひとりさま)の尋常じゃない泣き出しっぷりに気を取られてそれどころじゃなかった。映画よりも彼女のドラマが気になる。結論、やっぱり改めてマイケル・パトリック・キングは偉大だ。

帰りの電車の中で、実録『たそがれ』(いまおかしんじ)を目撃して大いに動揺する。いや元気なのはいいけどさ、家でやろうよ。

すいません、残暑のもののけに取り憑かれたように寝てました。
寝過ぎた頭でテレビをつけると「王様のブランチ」にデンゼル・ワシントンが生出演しギャルたちと楽しそうに騒いでる姿が目に飛び込んできたのでくそー私もなんか楽しいことをと夜な夜な吉祥寺に向かいバウスシアターさんでの「真夜中の湾祭り」に参戦。これがもう素晴らしい夏の思い出になる充実度で、老体に鞭打ってオールナイト行って良かったー!と心底思えたのでした。
もちろん、初めて聴く湯浅湾の生リハーサル&ライブにも本気で感動したしいしいしんじさんによる爆音小説(ステージで原稿を書きながら鉛筆の音とともに爆音で同時朗読)も本気で面白かったし大友良英さんのおもいっきりノイジーな反戦フォークソングも本気で震えたし湯浅さんといしいさんによる爆音レコード鑑賞会(おふたりが選んだアナログレコードをひたすら爆音で聴く)も本気で笑えたし勉強になったのですが、大友良英&湯浅湾の一曲限りの爆音ライブは、音楽になんてとんと疎い私でもさすがにこれはものすごいものを聴いているとサブイボ立ちまくりの衝撃だったのでした。いやあああ、すごかった。音楽を聴いてこんなに興奮したのはいつぶりだろうか。
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かっこ良過ぎて隠し撮り。
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本日の戦利品、湯浅湾Tシャツと、全巻まとめて100円でいいと言われた湯浅さん私物の「ハチワンダイバー」。餃子も爆音ビールもおいしゅうございました。   
しかしさすがに、30年間の人生史上最も音楽を聴き続けた数時間(何気に一睡もしなかった)、終了後には頭はふらふらお尻はひりひりで体はぼろぼろ。でも本当に楽しかったからいい。

やたらと評判が良さげでちょっと気になってアンドレア・モライヨーリ監督の『湖のほとりで』 を。サービスデーだからか平日の昼間だというのに場内は銀座マダムでほぼ満席でございました。
イタリアの小さな村で起こった殺人事件をきっかけにベテラン刑事がその村の人たちを追求していくうちそこの人たちの隠された問題や人間関係が見えてきて実はその刑事にも深刻な家族の問題があったりして人間ていろいろ大変やけどまあ頑張ろうや、みたいな。
ナンニ・モレッティの助監督を長年務めていたというだけあってこれがデビュー作とは思えぬ堂々ったる映画っぷりで、冒頭の、壮大な山と湖に囲まれた丘に突然マネキンみたいに美しい女の全裸死体が現れるシーンでこの映画は十分なんじゃないかと思ったら、確かにそこ以降の90分間にそれを超える感動はなかったのであった...。だからって面白くなかったってわけではないし95分という長さは退屈せず見れたのだけれど。なんというか、サスペンスの香りを残しつつ人間について語りたいのはわかるけどそのためにいちいち村の人それぞれと刑事が話すからどのエピソードも映画の勢いも中途半端で、どうせなら障害者の子供を持って苦悩していたという犯人と刑事のやりとりだけで進めた方がスリリングなんじゃないのかしらと思ってしまった。若くてキレイな自分の娘にやたらと執着してる父親とか足の不自由な頑固じじいたちの意味ありげな存在の意味は結局わからんかったし(意味なんかなくていいとしては存在感あり過ぎ)。これも多分、監督さんはとってもいい人なんだろうなと思う。
作品に不釣り合いな程ポップな音楽はなんか楽しかった。イタリアのうさぎ、でか!とマジでびっくりした。

大胆に寝坊したため一日の予定を全部キャンセル、夕方涼しくなるのを待ってから外に出て近所でスティーヴン・ソマーズ監督『G.I.ジョー』 なんて見に行ってみた。全く興味がない故「GIジョー」という固有名詞が何を意味してるのかさえわからずに。
で見たところ、CGフル活用な近未来戦闘アメリカ映画、ものすごく特殊な先鋭軍隊(の名前が「GIジョー」らしい)のわりには入隊簡単過ぎるやろとか敵の奇襲攻撃に弱過ぎやろとかいくらなんでもアジアに対する認識無茶苦茶過ぎるやろとかいろいろ突っ込みどころがあるけれどそんなこといちいち言うようなもんでもないしまあこれはこれでいいのかと、そんな感じ。能天気なコスプレ戦隊ものの映画に何かを期待するわけでもないので、そう思うとますます『スタートレック』の偉大さが身にしみたりした。ハリウッド映画では珍しい、パリを舞台にしたはちゃめちゃっぷり(エッフェル塔が倒れたりする)とか、本編より気合い入ってんじゃねーのと思える主人公の回想戦争シーンなんかは見ててちょっと楽しかった。でもこれ、大金はたいて開発した最終兵器の原理はガッちゃん(ペンギン村)だよなと思ってしまった。ちょいちょい『スターウォーズ』が顔をのぞかせるのは、監督が単に好きだからなのだろーか。続編がなかったらずっこけるような終わり方ではあったが、そこまで付き合うかは微妙。

お上に提出する紙切れ一枚のために板橋まで足を運び紙切れ一枚のために3150円払う、10年経っても腑に落ちない病人苛めに遭った後、まあ丁度近所でやってるし今年も山形行くやろうしと竹中直人監督『山形スクリーム』を。溜まってたポイントで見れた。
竹中直人、中学生の時に「普通の人々」とか見て東京の笑いに目覚めさせてくれたという恩を勝手に抱いているので未だに監督作品はマメにチェックしてしまうのだが、今回、その頃とやってることがほんとーに全く変わってなくてびっくりした...。92年との変化はCGを手に入れたくらいか。ちょっとは笑えたけど、さすがにこれが映画だと言われるとちとキツい。今まで結構真面目な監督だったのにどうして今更こんなことしたのか謎。意識して自分をパロディするほどお疲れなのだろうか。いくらコメディ映画とは言え乗馬くらいは役者にやらせてほしかったぞよ。
なんでこんなに若い女性客が多いのかと思ったら、主人公がEXILEのどれかだったのな。井口昇のTシャツとクリスタル・ケイの配役にはさすがに声を出して笑ってしまった。 マイコという女優を初めてちゃんと見たけど、麻生久美子とシャッフルされても絶対気付けない。成海璃子は確かにひとりでセーラー服がぱっつんぱっつんだった。こんな映画でも石橋蓮司の落ち武者は普通に怖かった。

もう数日前のことになるんですけど、gojoメイツ3号杉田協士監督が北海道小樽を舞台に映画『カモメ』を作ったというので我が家の50インチプラズマテレビで拝見したのですよ。10分程度の短編作品だが、大人から子どもまでが小樽の海と印象的な赤い灯台を背に何をするでもなくでもそこで広がる小さなドラマがやたらと切なくて、女と男が視線を交えるランボー風ラスト(全然違うけど...)に心打たれる。爆音仕立てな海辺の轟音もかっちょよかった。かもめはかもめであった。
出てくる役者さんたちがえらくいいなーと思っていたら、その後『札幌マッキナフォト物語〜店長以外みんな客〜』という作品も見せてもらい、これはタイトル通り札幌にあるマッキナフォトという写真屋さんの店長と馴染みのお客さんたちがそれぞれ監督&出演(撮影は杉田監督)している短編集で『カモメ』の出演者もその人たちなんだけれど、事前に知らされなければ絶対小劇場系の役者さんと思ってしまうだろう程うまいというか自然というかで大変驚かされたのでした。いくら気の置けない仲間たちの前とは言えどもこれはちょっとすごい気が。私には絶対無理。
みなさんが作った作品も、すごく際どいバランスで内輪ノリを完璧に回避、普段特別に映画を勉強してるわけでもないからもちろん気持ち悪い映画オタクノリも皆無(それでも立派に映画だからこれまたすごいわけで)、久しぶりに見てて気持ちいい自主映画でございました。もちろん時間も手間もかけてそれがお金になるわけでもなく仕事につながるわけでもないのに立派な大人たちがただその映画を作るために楽しそうにするその姿だけでも十分感動的だったりするのですが。

三十路にもなればお盆休みの土曜の朝7時に起床してひたすらムーベン(2リットル入りの下剤。多分、無ー便)を飲んだりもする。これが珍しく全く体に合わない薬で(味も、うすーい海水みたいで微妙にマズい)、半分を超えた辺りからものすごい吐き気に襲われ、でも下剤としての効果はバツグン、おかげでトイレでは大惨事。子供には無理なはずだぜ。そんな思いをして午後イチにいざ臨むは大腸カメラ。胃カメラ同様施術時は睡眠薬効果で記憶は一切ないもののお尻の部分に穴の開いたパンツを履かされるだけで20代には経験したことのない屈辱感。待合室に並ぶ同じ検査待ちの人たちと不思議な連帯感すら生まれる。結果今回は特に問題無しとのことでまあよかったんですけど。
さあこれで無事全ての検査が終わったし内科の先生にもオッケーをもらったので、近いうちさくっと入院してさくっと石を取り除いて毎朝のイヤーな不安感から解放される予定。改めて、私が暇とお金を持て余してる人間でよかったよと思う。こんなの忙しい社会人とか主婦だととてもじゃないけど時間作れないもんねえ。でも多分さすがに今回は高級個室は自粛する。多分。

三十路にもなればお盆休みの昼下がり麻布のオサレなレストランで昼ビール(&ワイン&シードル)片手にガレットを貪りつつ女ともだちと優雅にランチミーティングのひとつも開く。話の内容は在日朝鮮人を巡る酷い現状についてとかやけど。おかげで午後にはすっかり酔っぱらい、睡魔との格闘が予想されるも渋谷での上映が今日までだったのでクリスティン・ジェフズ監督『サンシャイン・クリーニング』になんとか。07年の『リトルミスサンシャイン』と同じプロデューサーだというので興味を引かれ。
アメリカの冴えない町に冴えない姉妹、何をやっても上手くいかないふたりが事件現場のクリーニング業を始めていろいろあるけどいろいろ頑張る。いわゆる負け犬のおひとりさまにはたまらない泣ける映画となっており息子とかおじちゃんの存在も素敵なとてもいい映画だとは思ったのだが(一睡もしなかったし)、なんとなく全体的に「いい映画」に一直線過ぎたようにも感じなくもなきにしもあらず。『リトルミス...』のワーゲンに飛び乗る瞬間のような舞台に上がって唄ってしまうような無茶がもっとあってもよかったんじゃなかろうか。依頼人の家を火事にしてしまったとき喧嘩じゃなくて大爆笑するくらい。せっかくの面白い職業も惨めさを表現するためなのか生と死を語るためなのか微妙に中途半端やったし。こんな地味な人たちを主人公に地味な映画を作る監督さんは多分本当にいい人なんだろうなとは思うけど、もう少し毒希望。
『魔法にかけられて』のお姫様だったエイミー・アダムスが今回は着飾らずいい芝居をしてた。整い過ぎた顔が故のつまらなさ(沢口靖子的な)が上手に切ない。 片腕のない薬局の店員がえらく良かった。アラン・アーキンと孫の会話はやっぱり泣けた。

おこりんぼさびしんぼが亡くなってさびしい。

gojo30歳にして(引っぱる)初の3D映画体験!ってことでクリス・ウィリアムズ&バイロン・ハワード監督『ボルト』 を新宿ピカデリーさんにて変ちくりんなメガネをかけて鑑賞。劇場の人にバレたらしばかれる覚悟で予告中にメガネ姿を記念撮影したりしてみた。
結果、最初の数分は「うおお3Dマジすげえ」と興奮するものの人間は慣れる生き物、いつのまにかそれがすっかり普通になってしまいちと残念。この作品自体が3Dを念頭に作られた感じでは全くないのも大きな要因ではあるだろうけど(基本的に画面の動きは二次元)。
自分をスーパーヒーローだと信じ込んでる犬ボルトが、実は人気ドラマのキャラクターとして外の世界を一切知らされずに育てられていたという現実を突きつけられショックを受けつつそれでも共演者の少女のために健気に頑張る物語。冷静に考えるとディズニー的にはかなり冒険的で皮肉なストーリーのような気もするが、私が愛して止まない『ハッピーフィート』ほどのブラックさが感じられずこちらもちと残念。『トイストーリー』『モンスターズインク』『ハッピーフィート』『ウォーリー』とピクサーアニメの傑作の特徴は、ほぼ人間との接触がない世界、というかむしろ悪意を持って人間を描いているという点だと考えていたのですが、『ボルト』の場合人間との絆がテーマになってる時点でやっぱり今更そんなことされてもなあ感が残ってしまった。まあ夏休み映画だし、実際場内には子どもの嗚咽が響いていたのでこれはこれでいいと思うけど。猫が飼い主に捨てられた過去を話すシーンでは三十路でもうるっとしたけど。ちなみに3Dは吹き替え版オンリーで、江角マキコが中々頑張っていた。
で、CGアニメと言えばやっぱエンドロールでしょとかなり楽しみにしていたら、3D作品であえてこれか!とここではかなり意表をつかれた。これだからやっぱりディズニーは侮れないわん。

30歳になって初めての朝、ダッシュで向かった先は、病院。ちとブルーではあるがこれは先週診察予約をブッチした自分が悪いということで致し方無し。
なので夜は気分を盛り上げるためラピュタ阿佐ヶ谷さんの「THE 恐怖女子高校」にて鈴木則文監督『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』(73年)に。サービスデーだからかかなりの混雑。最終列に監督御自身のお姿も。
冒頭の、血液大量採取リンチ(点滴で致死量まで血を抜く...)から異様な怖さ。女子高生(?)の裸体やセックスシーンが出てくるものの前作よりも笑えない本気な怒りが爆発してる女たちがめっぽうかっこよかった。池玲子ははなから制服すら着てなかったけど、ノーヘルでバイクを飛ばす姿に見惚れた。相変わらず無表情な杉本美樹もいかがわしい渡瀬恒彦もふざけた田中小実昌も素敵。ラストの、女子高生VS機動隊の乱闘にはちょっと泣きそうになってしまった。やっぱり闘う女の姿は美しい。

ということで、イエス、30歳になってみました。お祝いメールを下さったみなさま、ほんとーにありがとーございました。
ふと、何気に微妙に将来中。でも大丈夫、人生300年ってシズオ改め中村パーソンが言ってたから。まだまだひよっこ。
いろいろあったようでやっぱりいろいろあったけど具体的には何ひとつ手元に残っていない20代でしたが、大丈夫、俺はまだ本気出してないだけ、結婚しなくていいですか、毎日が夏休み、つるばらつるばら。と漫画のタイトルだけで完璧に表現できる程度の心情。うむ。

昨日は、一昨日に続いて阿佐ヶ谷へ。でも目的はガラッと違って阿佐ヶ谷七夕祭りへ。初めて行ったけどあんな大規模な祭りとは知らなんで、気合い入れて久しぶりに浴衣着た甲斐がありました。でもそのせいかキオスクで煙草買おうとしたら店員のおばちゃんにすっごい怪訝そうな顔で年齢訊かれたけど。あはははは。はあ。
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今時じゃキティちゃんもエヴァ仕様なのな。

で本日は、gojoも何かと決断のとき、ってことでジェームズ・マンゴールド監督最新作『3時10分、決断のとき』 を新宿ピカデリーさんにて。都内でここだけの上映なためか結構な混雑&フィルムセンターばりに年配の男性客多し。原作の小説も57年版の映画も全く知らず。すまん。
最近ひとりで勝手に西部劇づいてる私、正直前半はおお21世紀にこんなガチガチな西部劇を撮るなんてと感心しながらもでもここで囚人(ラッセル・クロウ)逃げようと思えば逃げれるよなとかいくらなんでもピーター・フォンダあっけなく死に過ぎなんじゃないのとか幾つか突っ込みかけたがしかし、ラスト20分の興奮と感動でそれ以外はどうでもよくなってしまったのでした。お金のため(という名目で実は尊厳のためだとしても大差はない気がしなくもない)にと命がけの仕事を引き受けた男とそいつに護送される囚人がいつのまにか心通わせる、その妙な関係を充分納得させてくれる銃撃戦(もちろんそれ以前にもいいシーンは幾つもあったけれど)。おもしろうございました。全然違うものと承知の上で、『グラントリノ』を見る前だとこの終わり方にもっと心打たれてたかも知れない、と言ってみる。こちらは07年の作品ですが。
と概ね大満足な映画だったのですが、ただ、このキャスティングには微妙にしっくりこないのは単に私の好みなのか。演技のパターンが少な過ぎるラッセル・クロウと何をやってもほんとにただの情けないヤツにしか見えないクリスチャン・ベイル(実はいい人)は、お互い手下役と息子役に食われまくってたように思えた。まあこの重過ぎない丁度いい軽さが良いと言えば良いのか。それにしてもしかし、このパンフレットとHPからは思いっきり配給会社の気合いのなさが伝わってきてちょっぴり悲しい。

朝っぱらから三たびお腹が痛くって、ここまできたらなんかもうムカついてきて、気付かないふりして一心不乱に家の掃除をしてたらいつの間にか治まってた。なので夜な夜な外に出てラピュタ阿佐ヶ谷さんの「THE 恐怖女子高校」にて鈴木則文監督『恐怖女子高校 女暴力教室』(72年)を祭り囃子を聞きながら。
聖光(性交)学園を舞台に度を超したスケバンたちが大暴れ。登場する女子高生たちが決して10代には見えないお色気&のりピーも顔負けな目つきで素敵でした。
私もそれなりに面倒な女子高生ではあったがさすがに黒板消しの代わりに猫の死体を教室の扉にぶら下げたり輪姦学校を開いたりした経験はなく、そんなアホなとけらけら笑って見てたのに、優等生の少女が自殺するあたりではつい泣きそうになってしまったり。中絶リンチにはさすがに目を背けてしまいましたが。マシンガンを抱えた池玲子と全裸でカメラを睨みつける杉本美樹がかっこ良過ぎて痺れた。この密度で78分、トラウマなんてこの程度の表現でじゅーぶんよねと勉強になった。大変面白かったです。

全っ然関係ないけど、帰りに立ち寄った本屋で見かけた「白州 スタイル」という本の茂木健一郎の帯文があまりに衝撃的な馬鹿さでひっくり返った。怖いもの見たさに是非ご一読下さい(これは茂木よりもこの文章を選んだ編集者の責任な気もするが)。

朝っぱらからやたら猫のテンションが高いなと思って様子を見に行ったら、どこかから侵入してきた蜘蛛をさんざんおもちゃにして弄んだ挙げ句、食ってた。呪われたりしないだろうか。
そんなこんなでシネマヴェーラさんの「映画史上の名作2」にのろのろ向かったらほぼ満席でびびったりしつつエルンスト・ルビッチ監督『ラヴ・パレード』(29年)、なんとも幸せなミュージカルというかオペレッタというか。君には今まで見た女の素敵な要素が全て詰まっているからラヴ・パレードって、なんちゅう殺し文句。初めてキスした後部屋の外でメイドたちが唄い出すシーンにはつい涙してしまった。ものすごい身体能力の召使いにも感動した。パールのネックレスにも脚線美にもうっとり。女王の妻と身分の低い夫が、最終的には立場を逆転させてハッピーエンドという物語には疑問も残るがそんなこと言うのも野暮ったいので黙っておく。
で一本目無事終了後に入ってきたお客さんがみんなえらく濡れ鼠なのにびびったりしつつアルフレッド・ヒッチコック監督『バルカン超特急』(38年)、 もちろん初めて見たんですけど、もう、『フライトプラン』なんかで満足しかけてた自分を殴りたい。めぢゃぐぢゃ面白かったです。すっごいハラハラできるのにすっごい笑えて、よくこんな不穏な顔の役者を揃えられたなと感動できて(主人公以外の女の顔がみんな怖過ぎる)。話のオチも全く読めず、久しぶりに宇宙人の仕業ではないミステリーに大満足なのでした。

一昨日はどーしてもブッチできない用事により泣く泣くイーストウッドを断念。その結果、昨日は激しい二日酔いによりイーストウッドと内科の診察を断念。チケット代を無駄にしたことより何も学習してない自分が哀しい。
なので気を取り直して映画でも見るべと『ノウイング』(アレックス・プロヤス監督)に行ってみたらこれがえらい困ったちゃん映画で。
偶然手にした50年前に書かれた数字の暗号の謎(それ以降の惨事の予言)に気付いたニコラス・ケイジが数日後に地球を襲う何かをひとりで事前に防ごうとあたふたしてる間に宇宙人やらUFOやらが現れてさあ大変。別にSF映画は嫌いじゃないし、冒頭数分の無駄に暗くてホラーな感じとか飛行機が見えたと思ったらそのまま即墜落なシーンとかは中々面白いんじゃないかと思って見てたんですけど、途中からあまりにもあまりにもなストーリーについていけなくなって。だってこれじゃあ9・11を防げなかったのも主人公のせい、更には戦後の問題は全て誰に責任があるわけでもなく宇宙の法則...、ってそんな無茶な。私だって過去のことは全て帳消しにして宇宙人に出直しさせてもらいたいわい。ノアの方舟まではいらんけど。だいたい地球滅亡をまったく単独でどうにかしようとする主人公の思考回路がよくわからん(そのわりにちゃっかり自分だけ助かろうとするし)。
何もかもを宇宙のせいにしてそれを個人に解決してもらおうなんてアメリカ人はここまで切羽詰まっているのかと思ったら、監督はギリシャ系オーストラリア人で出演してる役者もほとんどオーストラリア人だった。困った。

ウィンブルドンの決勝戦は観客席で観戦してるしこんなべっぴん女優に囲まれて仕事してるしでだいぶ羨ましいウディ・アレン監督最新作『それでも恋するバルセロナ』 を今更。
バルセロナとオビエド(だっけか)を舞台に3人の女とひとりの男があーだこーだで、よくもまあここまで見事にぱっぱらぱーなキャラクターばっかり考えられるもんや自分で作っててイヤにならないのかなと思ったりもしたが、やはりそれはそれでそれなりに面白く、にやにやしながら見てしまったのでした(でも今回一番の阿呆は「この映画を見た自分ってセンスいい」とコメントしてる馬鹿作家)。ギターを聴いた後公園に行くあたりのシーンとか、なんか異様で面白かった。誰の声ともわからないナレーションが、英会話の授業を聞いてるみたいで懐かしかった。
ハビエル・バルデムそりゃもちろん『ノーカントリー』のときよかはかっこいいけど個人的には多分引っかからない。多分。見事な金髪に染まったスカヨハも『フロスト×ニクソン』で気に入ったレベッカ・ホールも可愛かったけどやっぱベネロペ(ちょっと痩せ過ぎだった気もしたけれど)。ただ、最近連続でウディ・アレン監督作に出演してるスカヨハが、全く似合わないことが一目瞭然なのに毎回必ず袖の短いTシャツを着せられてて、何か意図があるのだろうかと考えてみたがよくわからなかった。むちむち感アップなのがいいのかしら。

比較的涼しい気温のおかげでチケットを無駄にすることなくこの土日はPFF のイーストウッド特集に通いつめ、『夕陽のガンマン』(65年)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66年)『恐怖のメロディ』(71年)『愛のそよ風』(73年)と二日間で計8時間近く映画漬け、私の脳内メーカーはすっかりイーストウッド一色になっております(で今しがた久しぶりに実際やってみたら「金」と「遊」の半々だったので事実と大差ないと思われます)。
土曜日に、ほとんど女の出てこないマカロニなウェスタンの南北戦争物語を見て男臭にまみれめっちゃかっこいいけどちょっとちかりたと微妙にぐったりしてたら、日曜にやっと女が出てきたと思ったら、女は俺のクールなライフスタイルを揺さぶるストーカーもしくはエイリアンって、クリント先生どんなひどいトラウマ抱えてはりますのんとちょっと心配になってしまったが、それでも全部滅法美しく面白い映画だったので良いのです。監督作の、夜のシーンの異様な暗さが恐ろしかった。死んだはずの犬が生き返り、その犬の目が異様なことこの上なかった。少女の、「一緒に朝を迎えて後悔した相手はいない」って言葉がかっこ良くて痺れまくった。これ今なら自分で主演するのかなあ。上映終了直後に「あそこで赤いドレスを選ぶのは情婦にするってことだよね」と鼻息荒く語ってた男の頭の悪さに目眩がした(でも金持ちのおじさまが若い女に服を買うというシチュエーションでパンツスーツはないやろとは思った)。