へそ曲がりな私はもちろん亀田選手に賭けて、無事勝った。ええ試合やった。一応ボクシングにはこだわり派の父は「歳の差」の一言で済ましてましたけど。

監督は誰か知らんけどフィリップ・シーモア・ホフマンやし音楽青春モノっぽいしでなんか私の好きそうな映画やなーと思ってかなり期待してリチャード・カーティス監督『パイレーツ・ロック』を見てみたんですがね、最終的にはああやっぱり英国の笑いというかユーモアのノリがほんとに不得手だと再確認しただけの結果に終わってしまったのでした(監督はTV版Mr.ビーンのスタッフっぽい)。
音楽放送の規制が厳しかった1960年代のイギリスでロック音楽だけを24時間流し続ける海賊ラジオ局(がある海賊船)を舞台にしたロックンロールは権力になんか負けないぜ的な物語なんですが、 135分と結構な長尺のうちほんま100分以上がラブ&ピース&フリーセックスを明るく楽しく描くことに終始してて、それもかなり恥ずかしゼミナールな方法で、一度もクスっとも笑えなくて、疲れた。まあ私が60年代の音楽や背景に無知なだけかもしれませんが。そんななのに最後の数十分で突然タイタニックばりの水没映画になり本気で生死を彷徨い出す無茶振りっぷりはちょっと面白かった。でもこのノリで誰か死ぬわけないしなあ。
米国から来た人気DJという役どころのフィリップさんは適当な酔っぱらいのおっさんって感じが素晴らしく、やっぱり良かった。一応主人公らしいトム・スターリッジという青年がたいそう美しく、良かった。敵役の役人(ケネス・ブラナー)が無駄にヒトラー風な意味がよくわかんなかった。

実は先週の連休に二回チャレンジするも二回とも満席で入れなかったロバート・ゼメキス監督『クリスマス・キャロル』 。でも絶対見たいでも同じ轍は踏まない、ということで今回初めてネットでシネコンのチケット予約にチャレンジ。いやあ便利なもんですねえ、感心感心。しかしこれ、家にネット環境がない人には酷い制度だと思うので最低でも当日枠は残しておくのが良心じゃなかろうか。数年前には座席指定制にすら反対の私でしたが。
で、そこまで頑張って見た映画は、そこまで頑張ってもマジ見て良かった!ってくらい面白くて大満足。初めて3D映画が3Dである意味のある映画を見た気がした(最近のゼメキス監督作は悉く未見...)。なので3D上映中にもう一度は必ず劇場で見ておきたい。多分みなさんも見た方がいい。
クリスマスキャロルのストーリーは初めてちゃんと知ったけど、まあドケチな老人が精霊に会って心を入れ換え皆に優しくなるという分かりやすい寓話、人は3Dを見て啓蒙されるのだというお話であった。でも画面はひたすら暗いし結構本気で精霊たち怖いしで子どもの頃に見たら多分トラウマになっただろうな。上映中どこかからか赤ん坊の泣き声が聞こえるので映画の効果かと思ったらただ劇場内で泣いてるガキの声だった。
ただ、大好きジム・キャリーの最新作だがほぼCG加工されて彼の姿がわからなかったことだけがちょっと残念...。でも本物の役者の体を使って(久しぶりにゲイリー・オールドマンを見た。身長すら加工されてたけど)アニメを作るって、この監督ほんまに頭おかしいなあとちょっと感動。

もっと真面目に通う予定だったのに気がつけば見逃しまくってるシネパトスさんでのマキノ祭りにこそこそと。銀座の街は胸やけしそうな程クリスマス。
『やくざ囃子』(54年)、映画が始まった瞬間恋に落ちてるくせに最後までじらすじらす。玄関を挟んでお面を挟んで近づき合う男女がやっと邪魔なく一緒になったとき二人ともびっこを引いている姿がたまらなく感動的。でもこんなに集中力を欠いたチャンバラは初めて見た気がする。ぞっこん惚れたぜ、なんて死ぬまでに一度は言われてみたいもんだす。
『八州遊侠伝 男の盃』(62年)、目力の強過ぎる片岡千恵蔵にちょっと笑ってしまうもこれぞお祭り映画で楽しかった。もっとやくざな話かと思っていたらこんなに泣ける盃だったんですね。全く似てない親子の再会に涙。水戸黄門みたいな志村喬に萌えまくる。これがデビュー作だという藤純子がえらく可愛かった。若い千葉真一は意外と爽やかだった。
映画の後、劇場で遭遇した某先生を飲みに誘って断られたり勝手に乱入した飲みの場で暴れてみたり色々あったような気もしなくもないが、忘れた。

本日は演劇派の友人に誘われてご近所で開催中のフェスティバル/トーキョーにて「デッド・キャット・バウンズ」の舞台を鑑賞。
なんて言うのかなこういうの、演劇のドキュメンタリーとでも説明すればいいのか、舞台上のスクリーンにリアルタイムのロンドン株式市場が映し出され客のチケット代を投資し株の売買を繰り返しさあ最後にはどうなるでしょうか、という内容。出演者はイギリス人やオランダ人や日本人が7人、そのやりとりはフィクショナル。もちろんこんな「演劇」は初めて見るし斬新なことやってるなあってのはわかるけど、個人的にはなんとなく恥ずかしゼミナール...。お金や資本について語りたいならこの方法じゃダメだろうと上から目線で眺めてしまいましたとさ。ああ私に株なんて絶対無理という勉強にはなった。
客個人からも投資者を募り某社の株を二株買った連れが会場で唯一利益を出し9円ゲットしていたのと、チケット代の内訳を説明したとき客の半分以上が招待客(タダ見)でジンガイがちょっとマジキレしてたのが一番面白かったれす。
ちなみに「デッド・キャット・バウンス」とは、5階から落ちて死んだ猫は一度少し跳ね返るが生き返ったわけではない、という意味の経済俗語だそうな。

最近ほんとに毎週末きっちり風邪をひく。理由は私が虚弱だからか「11月は冬やない!」と震えながら薄着してるせいか毎週末酔っ払ってソファで爆睡してるからか。パブロンとアクエリアス様々な連休、久しぶりに20時間近く寝た。
それでもなんとか最終日くらいはと大混雑のシネコンにクエンティン・タランティーノ監督最新作『イングロリアス・バスターズ』 を(第一のお目当て作品は二回連続満席で入れず。映画ってブームなのか?)。
多分この映画に引用されてるはずの過去の名画はほとんど理解できてないんだろうけど、それでも十分面白かったです。
ブラピはただ顎をしゃくれさせてるだけで最後まで大した活躍せえへんしってかだいたいブラピ以外の俳優全くわからんしってか英語とフランス語とドイツ語とイタリア語が入り乱れ過ぎて混乱しまくるしってか話してる映画のこともよく知らんしってかそもそも登場人物たちがなんでそんな行動とってるのかってことも今イチ理解できひんしででもなんかおもろいなあと、ものすごく色々考えて作られてるであろう映画に対してアホみたいにへらへらしながら見てたらラストの爆発はやっぱりめちゃくちゃかっこよくて痺れる。個人的にはへらへらが無駄にならなくて満足であった。果たしてブラピマニアの義兄の感想が気になるところ。
派手なCGも戦闘機も出てこない戦争映画だけど、頭の皮を剥いだり傷口に指を突っ込んだりする生々しい描写には思わず目を閉じてしまった。ほんとにこういうの苦手でして。

すんません、午後に井土紀州監督『行旅死亡人』を新宿で見たはずなのだが、夜のイベントの興奮が大き過ぎて既に映画の記憶が曖昧に...。ついでに実は『ラザロ』も未見...。
いや見ながら、死んでるはずの謎の女を巡るミステリーという脚本は面白いなと思ったけれどこの内容をこういう方法で作るならよっぽど予算も役者も贅沢じゃないと結構しんどいなと感じた、はず。勝手に、もっとやんちゃな監督かと想像していたのですが意外とがっつり正攻法で、胡桃農園のエピソードとか恋人たちの過去とか、そんな真面目に語られてもなあとちょっと困ってしまった。役者の芝居も全員テイストが違い過ぎて最後までノリを掴みきれなかった。主演女優はもっと選択の余地があったんじゃないかと思った。なんて全部うろ覚えですけど。ごめん。

で、夜に向かった先はゼミナールの登校日、ってことで池袋ジュンク堂さんでの万田邦敏監督&廣瀬純氏のトークイベントにて、万田監督の恥ずかしさにまつわるエトセトラと、その後の課外授業(まあ、打ち上げ)にて映画界の生きるグーグル氏の色んなお話を大変興味深く拝聴してお腹がいっぱいになったわけです。サービス精神の旺盛な大人って素敵。
もちろんもっと勉強になることを聞いたのだけれど今日一番の衝撃は「スチュワーデス物語」の監督が増村保造だと今更知ったことであった。なんや私めちゃくちゃ増村キッズだったんだ!とひとりで感動した。


夜な夜なシネマロサさんに向かいgojoメイツ3号杉田協士監督最新作『5つの出会い』の試写に潜り込んでみた。ほんの内輪向けの上映会かと思ってたら結構な数のお客さんがいてびっくり。
モデル事務所のモデルさんを役者にしたお芝居のワークショップの一環として作られたそうな今作品、「出会い」をテーマにした短編が幾つかで全体では26分という短さだったものの、男と女が出会う瞬間の不親切さが可愛らしい(変な日本語でごめんなさい)作品でございました(個人的に気に入ったのは男と男が出会う作品だったけど...)。プロじゃないのにこんな芝居ができるってモデルってすごいなと思った。でも代々木公園や山手線にこんな美男美女がいたらだいぶびびるなと思った。なので打ち上げの席では顔サイズの遠近法を狙って離れた場所に座ってみた。

先日満席で入れなかった雪辱を晴らすためポン・ジュノ監督『母なる証明』を見にシネマライズさんへ。サービスデーでも雨の平日だからか客入りは既にぼちぼち。
ポン監督、『TOKYO!』の短編があまりにも肌に合わなかったので今更興味はなかったのだけれどひとりにわか韓流ブームなため一応見とくか的な気持ちで臨んだ今作品は、やっぱり全くそそられなかったのでした。残念。ポンさん、インテリなわりにはダサ過ぎる。「未成年」の香取慎吾風頑張りを見せていたウォンビン萌えもなし。
この映画を「母親の奇行」ってことで『私の中のあなた』と並べてる人を何人か見かけたけど、母親が故に頭がおかしくなるのと単に頭のおかしな女が母親であるってのは全然違う気がするぞよ。子どもを殺しかけた過去に言い訳ばっかりしたうえ鍼刺して忘れさせようとする行為を愛情とはいくらなんでも。クレイジーなまでに自己チューなだけだと思うけど。あと、やたらと顔のアップが多いけど特に見てて面白い役者が出てるわけでもないので途中でえらく疲れた。あと、わざとらしい程の警察の無能っぷりもイヤだったけど、『チェイサー』もまんまそうだったので、もしかして現代の韓国警察はほんとにこのレベルなのかと不安になった。ラスト、バスの中で踊り狂うおばはんたちだけが「ああなんかこのノリわかるわ」と笑えた。 でも冒頭のダンスよりは私のイモの君が代アカペラダンスの方が100倍泣けるね。

いやーやっぱりホラー映画は携帯電話だの遊園地のお化け屋敷だの相手に中途半端な子ども騙しをするもんじゃなく若い女が悪魔の老婆相手に本気で戦い自分を守るために子猫を殺すもんだよねとサム・ライミ監督最新作『スペル』を見てすっきり。本気で怖いやら本気で笑えるやらで忙しかった。
ばりばりにCGを使った悪霊はもちろん思わず椅子からびくっと飛び上がってしまうほど怖かったけど、入れ歯の取れたばーさんに吸い付かれる感触とか見えない悪魔に本気で殴られる衝撃とか、肉体的な痛みも見てるだけで怖かった。鼻をくぐりぬけるハエとか岡田あーみん風の鼻血とか一体どこまで笑っていいんだろうとちょっと戸惑ってしまう部分も多々あったけど。主人公の過去には躊躇なく大爆笑してしまった。ミス豚て。
終盤ちょっと長いかなと感じたのと何もそこまで銀行屋を恨まなくてもと監督を落ち着かせたくなったもののここまで爽快に「面白かった!」と思えた映画も久しぶりだったので全体的に大満足。
私ならあのボタンは、小学生時代の担任教師を何年かけてでも探し出して贈りつけるなーなんてことを考えてたら早速悪魔の呪いがかかったのかつい今しがた鞄ルームの鞄掛けが根元から突然ぶっ壊れて部屋が大惨事に。誰か助けて。

DSC03340.JPG
カオス!正視したくない!

吉祥寺周辺に用があったついでにバウスシアターさんにてサーシャ・ガバシ監督(『ターミナル』の脚本家らしい)『アンヴィル〜夢を諦めきれない男たち〜』 を見てみた。なんか私の好きそうな映画やなーと思って。
アンヴィルという、80年代にはそこそこ有名だったもののその後人気の出なかったヘヴィメタバンドのメンバーが、50歳を過ぎても地元カナダでそれぞれバイトしながら30年間ヒットを夢見てバンド活動を続けている姿を追ったドキュメンタリー。ヨーロッパツアーに出るも移動する電車のチケットすら取れなかったりしょぼいライブハウスにさえ出演料をピンハネされたりアルバムの制作費を稼ぐために肌に合わないテレアポのバイトをしてみたりメンバー内で泣きながら喧嘩してみたりする年老いたウェインズ・ワールドみたいなふたりの姿を見てるだけで感動できる。そんな姿で「夢を叶えたいんだ!」とか「今やるしかないんだ!」とか熱い言葉を連発するもんだから後半泣けてしゃーない。そんな彼らをずっと支えてきた家族もみんな不思議なくらいええ奴らで。こんなに真っすぐそりゃ生きるのも難しいだろうとけど、でもやっぱり良い。
しかしアンヴィルは、私は全く知らなかったが日本ではぼちぼち知名度があるらしく、ラストは幕張でのフェスが舞台。メンバーの気持ちとは裏腹の会場が映った瞬間、久しぶりに日本人偉い!と褒めたい気持ちになった。

昨夜、夜のおにさまとそのお友達の謎のおじさまに連れて行ってもらったお店がほんとモロにリアル深夜食堂で(親父じゃなくてママさんだったけど)、確かにこれにハマるのはわかるかもと思ってしまってなんか悔しい。

本日は、ひとりJホラー祭りもしくは知り合いの映画祭りの一環にと清水崇監督『戦慄迷宮3D』 を。ひとりで3Dメガネってちょっぴり切ない。
あまり3D映画経験のない私は3Dがどこまで何をできるのかよくわからないのですが、清水崇が3Dって貞子みたくスクリーンから出てきたりするのかなーとワクワクしてたらそんなことはなく意外と地味だった。つーか怖くなかった...。つーかお化け屋敷を舞台にした映画を3D画面でサラウンドの音響で(台詞はアフレコ)見てると映画を見ると言うよりアトラクションの映像を見てるような感覚になるというか。それはもちろん外的要素だけが原因ではなく。取調室のシーン、地味なのはわかるがもうちょっとなんとかなるやろと思った。
子ども時代の自分たちと生々しく遭遇するという設定は面白かったけれどその後時間軸がややこしくなり過ぎたか。話のオチは想像ついたけどそれを説明する松尾スズキは絶対に精神科医じゃなきゃダメなはずで、あれを刑事に言わせるのはあまりにも「はい、ネタバレしました」って感じがしてイヤだった。うさちゃんのぬいぐるみから出て来る幽霊と執拗に勝地涼に落下する少女は面白かった。スピルバーグの申し子とは知らなかった。
それにしても柳楽優弥くん、見てて爽快なぐらい繊細な少年の面影は消え去って、それはいいけどいくらなんでももっちゃりし過ぎです。新垣一平氏に似過ぎです。スタイリストさんもせめてもうワンサイズ大きい服を用意してせめて腹のでっぱりくらいは隠してあげてほしかった。  

平日の昼下がりだというのにシネコンのチケット売り場は長蛇の列の謎。特定の作品が売り切れまくってるってわけでもないし(一番多くの館で上映してたのはマイケルやったけど)、一体何なんだ。
そんな中病み上がりの私がチョイスしたのは船曳真珠監督『携帯彼氏』。主演の川島海荷クンがどことなくsanjoに似てて。
「携帯彼氏」という、携帯上で理想の彼氏の画像を作成しコンピューター相手にメールをやりとりするサイトを利用した女の子が続々死んでいく怪事件勃発...、というバリバリのJホラーを久しぶりに見た気がした。しかし。
見ながら、そもそも、手元の携帯電話を眺めてあーだこーだ騒ぐのって画面にほとんど動きがなくて、原作が全く映画向きじゃないんじゃないかと思ってしまった...。最後に闘う相手はサーバーやし...。何かが起こる度それなりにドキッとしたのは今時珍しいくらい大袈裟な音楽のせいだった気がする...。
脚本も、主人公の女子高生が一日ひとりペースで目の前で友達が死んでいくという状況に見舞われるうえ久しぶりに会った同級生にはとんでもない嘘をつかれ傷ついたとしてもちょっとうっとおしいこと言ってきたバイト先の店長に携帯彼氏を転送し殺してしまうというトンデモない展開にさすがに呆然。「レイプサークル」なんて言葉を安易に使う下品さにもげんなり。まあ最近ニュースでよく聞く「プロフ」の意味も一切わからない私には果たして「携帯彼氏」が実在するのかもわからずそんな人間が携帯小説のナウな感覚をキャッチできてないだけかも知れないけれど。
売れっ子らしい海荷クンは、17歳どころか小学生くらいにしか見えなくてびっくりした。今時の女子高生はあんな頑にホットパンツを履くものなのか。友達役の朝倉あきクンの頑張りは良かった。
それにしても、悪い噂が伝わるのって、渋谷の街で話す女子高生の姿に噂の内容を話す声がオーバーラップする以外に方法ないんかいな。

土曜日は二回目の万田邦敏の"可視の100と不可視の100"。早めにアテネフランセさんに到着するも人が少なくてやや寂し。
上映された学生時代とそれ以降の8ミリ映画『西風』(77年)『四つ数えろ』(78年)『SCHOOL SOUNDS』(78年)『女の子はみんなふた子である』(80年)『逃走前夜』(82年)『大回転』(90年)は全部初めて見たのですが、それはそれは大変面白かった。先日蓮實先生が「万田監督は76年からショットの撮れる映画作家であった」と仰っていたが、それと同時にこの頃から偉大なギャグ作家だったんだとも感動した。しょっちゅう映る立教大学が、自分がいたところでこんなことが行われていたのかとなんか不思議な気持ちになった。
万田監督と黒沢清監督&高崎俊雄氏(数年前に何故か朝までカラオケをご一緒した記憶が...)の色々昔のことが勉強になるトークを拝聴したあと、若手監督たちと万田監督によるオムニバス映画『葉子の結婚』も鑑賞。葉子という女性の結婚式を日曜に迎えた周囲の人たちの月〜土曜日までのお話、が、出版記念というめでたい場に結婚というテーマだというのにほとんどの作品から不幸な匂いがぷんぷん漂っていて(月曜の冒頭のナレーションが「葉子の結婚はみんなを不幸にする...」だったのには笑ってしまった)、なんかおかしいというかでも納得というか。唯一のコメディ作品だった佐藤央監督の水曜日(多分)が普通に笑えて面白かった。
その後参加した打ち上げで大暴れした結果裸みたいな格好で爆睡したからかそれともつい数日前新型インフルエンザの友人と自宅でギターをかき鳴らしてたせいか、翌日にまんまと発熱しインフルやったら死ぬーと戦々恐々と一日を過ごす。多分大丈夫っぽい。  

西山洋市監督篇の編集がどういうわけか我が家のMacで行われていたり友人の監督デビューがこっそり行われていたりと何かとご縁のある『大脱出!〜脱出ゲームTHE MOVIE』 の最終日に二日酔いの体を引きずってなんとか駆けつける。偉いでしょ。
携帯電話のゲームをネタにした「脱出」をキーワードにした10分の短編集、今回はBプログラムのみを鑑賞。10分という尺のためかみなさんラ・ジュテ風にしてみたり活弁風にしてみたりと色々工夫なさっていたが、結果、一番まっとうに映画を撮っていた新垣一平監督『たぶん悪魔が夜来る』が唯一面白く見れたのであった。赤いパーカーの女が気持ち悪くて良かった。うっすら予感はしてたけど他の五本はあまりにひどい有様(特に『こなごな』)でごらいやした。自主映画的な世界での女性乱暴ネタって未だにやる人いるんだね。エンドロールに出演してる役者の事務所名まで書いてあるのが謎だった。
上映後、昨日見た『う・み・め』での熱演も記憶に新しい四宮秀俊カメラマンを持ち上げるぞトークショーを楽しく拝聴してさすがに本日はおとなしく帰宅。

万田邦敏監督初の御著書『再履修とっても恥ずかしゼミナール』刊行記念万田邦敏の"可視の100と不可視の100" をアテネフランセさんにて(エレベーター設置工事中で何より)。お昼から出席し、『夜の足跡』(01年、久しぶりに再見)『う・み・め』(04年、初見)『 夫婦刑事(デカ)』(03年)『続・夫婦刑事2』(03年、両方久しぶり)『新・新夫婦刑事 プロゴルファーナースの巻その2partⅢ』(06年)『真夫婦刑事外伝 逃げ去る不邪見』(07年、両方初見)『×(かける)4』(08年、初見)を立て続けに見て思いっきり監督の世界に浸る。公開当時ぶりに見たけどやっぱり観葉植物刑事には大笑いしてしまった。色んなことがおかし過ぎる。
映画以外にも蓮實重彦先生の講演を拝聴したり万田監督のドキュメンタリー『TOSO1000-montage』(小出豊監督)も見たりして色々お勉強になった一日なのでした。満足。気付いたら何故か深夜に監督たちと共にラーメンをバカ食いしていたことだけは記憶から消し去りたい一日。  

本日は、それはそれは珍しく朝から予定が立て込んでいてそれでもなんとか空き時間を狙った映画のタイムスケジュールを完璧に練った、はずが、シネコンのチケット売り場でお目当ての韓国映画がまさかの満席という予想外の事態に完全にパニクりその場でじゃあ一番すぐ見れる作品をとあたふたした結果、ロベルト・シュベンゲ監督の『きみがぼくを見つけた日』を見ることになったのでした。うむ。
ほんとに一切の予備知識もなく見てみたら、主演はエリック・バナとレイチェル・マクアダムス(『きみに読む物語』のかわいこちゃん)のラブロマンス、ということらしいのでおお意外と掘り出しもんじゃないのと思ったが、意外とトンデモ映画だった。
誰も見ないだろうから書くけど、エリック演じる主人公がなんの説明もなくとりあえずタイムトラベラー。本人の意思とは関係なく大した使命もなくひょいひょい時空を超えまくってやっと運命の女性と結婚するも彼女が妊娠するたび流産するもんだから胎児にもトラベラーの遺伝子が伝わってしまってる!とエリックは勝手にパイプカット。それに怒った妻が過去からやって来た若い頃の旦那とセックスして妊娠するも「あなたなんだから浮気じゃないでしょ」と家庭円満。ロマンチックでさえあればなんでもいい、という昨今の邦画難病ものに似た無茶苦茶さを感じなくもなかった。でもなんか見れてしまうのはやっぱり役者がいいからかなあ。エリック・バナには車椅子がよく似合う。
しかし、涙を誘うはずのラストのエリックの死因がずっこけるほど下らなくて、もしかしてこれは手のこんだ反共和党映画なのかとちょっとびびった。そして、珍しく原題よりも邦題の方が良い映画であった。

TIFFでの特集上映は結局前売り券を一枚もゲットできず「映画獣たちどんなけ暇やねん!」とぷりぷりしてしまったのですが、本日イエジー・スコリモフスキ監督17年ぶりの最新作『アンナと過ごした4日間』 を見て、これならチケット即日完売もしゃーなしと大いに納得してしまったのでした。めぢゃぐじゃ面白かった(ついさっき自分の日記を検索して『ザ・シャウト』の監督だったんだと知ったけど...)。そりゃそんなに人気なら面白いのは当然なのかも知れないけど、個人的にもあらゆることがビンゴに好みで。
寒そうな田舎街を舞台に冴えない中年男が惚れた女にアタックする勇気もなく彼女の寝室に忍び込むも何をするわけでもない4日間の物語が、車を押す男たちも牛の死体もアコーディオンもぬかるみで転ぶおっちょこちょいさも勝手にボタンを縫う姿もひとりのパーティーもアンナの腰回りも犬の遠吠えもダサい滝プリントの照明とそこから流れる音も突然のヘリコプターも(備忘録)とにかく良かった。多分すごくおかしな映画なのに何の疑問も持たずに最後まで見てしまうのもなんかすごい。女と男が犯されるシーンがこんなに怖い映画も久しぶりだった。救いがあるようでないラストもなんとも。
といつもにも増して具体性のない感想しか抱けなかったのですが、とりあえず『サウスパーク』と併せてみなさん是非ご覧になるのがよろしいかと。祭日とはいえ結構お客さん入ってたけど。予告の時に駆け込んできたおじいちゃん4人組が気になった。

ワッショイワッショイ!マキノでワッショイ! なシネパトスさんへマキノ雅弘監督特集を、08年の生誕百周年では見逃しまくってしまったので一人リベンジ。
『待って居た男』(42年)、98分の間に笑いあり涙ありミステリーあり男女のもつれあり復讐劇ありの時代劇に充実感でお腹いっぱい。ピチピチで純情な高峰秀子も素敵だったけど意外なほど明るくて可愛らしい山田五十鈴が特にたまらんかった。久しぶりに見たエノケンはやっぱり体の動きを見てるだけで笑えて、改めて岡村隆史に跡を継いで欲しいと思った。大変おもしろうございました、が、たった今、一体誰が「待って居た男」だったのか理解してないことに気付いた...。一夫?
『阿波の踊子』(41年)、 兄の仇討ちを巡る前半にもちろん興奮したんだけれど、ラストの、ちょっと気持ち悪いくらいの群衆が狂ったように阿波踊ってるシーンがあまりにも衝撃的で。ただただすごいもん見たなあと放心な感じ。お面をつけた男たちが踊りながら人を殺す、想像以上のホラーであった。でも、実は仲間な男たちの合い言葉が「明日、踊ろうぜ!」だったのが妙にかっこよかくて、機会があればパクってみたいと思った。ここでも純情な高峰秀子が、惚れた男の行動を一人で真似る姿がめちゃくちゃ可愛かった。二作とも大きな宿が舞台で、二階と一階をつなぐ動きが面白かった。