まだまだ男性恐怖症を引き摺った幼気な子供時代(実話)、私にとって『パンツの穴』と言えばとにかくエッチで近づいちゃいけない映画!というイメージでありました。やがて30にもなって平然とポルノでもピンクでもひとりでへらへら見に行ける立派な大人になった今、ポレポレ東中野さんで開催中のR18LOVE CINEMA SHOWCASEvol.17 で初めて鎮西尚一監督『パンツの穴 キラキラ星みつけた!』(90年)を初めて見てみたら、これが驚く程可愛らしくてなんとも幸せな青春ミュージカル映画だったのでびっくりしまくったのでありました。
女子高生がテニス部の合宿で訪れた先の民宿で地元の男の子と恋に落ちるか落ちないかの胸キュンストーリー、少年少女は唄って踊る、の合間に大杉蓮や天本英世が猟銃片手に何やら怪しげなことを繰り広げる、とだけ書くとえらい不思議映画みたいだけど事実不思議映画だったけどすっごい面白かった。お祭りとクレーンに乗って上がるシーンに痺れ、主演の西野妙子が可愛くて痺れた。dosなんて入らなくても立派な女優だったのにねえ。十代の浅野忠信が明らかに困惑しながらミュージカルシーンをこなす姿も大変新鮮でありました。
上映後の鎮西監督&古澤健監督のトークも拝聴、撮影当時のお話からHOSEの音楽についてまでと幅広いお話と真面目に司会をこなす古澤監督の姿に勝手に感動。まさか鎮西監督からクチロロという単語を聞けるとは思わなかった。

終了後堂々と忍び込んだ打ち上げにて、監督がこの日記を読んで下さってると知り大変恐縮したり佐々木希について話し合ってみたりした、はずなのだがいかせん酒が。私はそんなに不機嫌そうに映画を見ているのか?

気がつけば最近すっかりシネコン子になっちゃってなんかダメねと久しぶりに新宿ミラノ座さんに行ってみたら、受付のお兄ちゃんも周りのお客もいかがわしさ全開でやっぱりいいですね。見た映画はそんな雰囲気にそぐわない矢崎仁司監督『スイートリトルライズ』だったんですが。
原作小説を読んだことある感想としてまず、監督の前作魚喃キリコ原作『ストロベリーショートケイクス』を見たとき同様、ここまで完璧に原作の世界と言うか雰囲気と言うかを壊さずでも映画として成立させてることにひどく感心。117分という長さがもたらす退屈さも含め、これはこれでいいのだと思える映画でございました。
結婚3年目のセックスレス夫婦がダブル不倫した挙げ句元サヤに収まるという冷静に考えればかなりえげつない物語がこんな小綺麗にまとめられていいものなのかと思わなくもないけど、まあ江國香織ワールドなら仕方ないかと納得もできる。ライズがスイートなんだもんねえ。相変わらず原作にはない部分(老女とのやりとりとか)がちょっと少女趣味過ぎるかなと思ったけど今回は許容範囲。肌の透明感が半端なさ過ぎて既に幽霊かミイラにしか見えなくなってる中谷美紀の芝居も久しぶりに良かった。濡れ場くらいやれよと思ったけど。浮気相手の小林十市がどーにも魅力的な男に見えなかったことだけが無念。
って言うか池脇千鶴のこの太り方は絶対何かの薬の副作用だと思うんだけど、大丈夫なのだろーか(この映画の彼女を、あらゆる意味で私っぽいと指摘することは絶対禁止。言った奴マジでしばく)。

帰りにひとり立ち寄ったビール屋で、最初は超陽気に喋っていた隣りのオカマが突然ゲロを吐いてぶっ倒れて救急車で運ばれる騒動を一部始終目撃する。やっぱり歌舞伎町は面白い場所だ。

上映前にふらりと立ち寄った横浜赤レンガ横のきれいな公園(名前忘れた)を眺めながら、こんな広大な場所に浮浪者のひとりもいないって都会ってすげーなと妙に感心した後、東京芸術大学大学院馬車道校舎にて映像研究科卒業制作映画専攻4期生展GEIDAI#4 (HPに全く上映情報が載ってないのは何故... ?)を訪問、大橋礼子監督『海への扉』を鑑賞。
今までの大橋監督作品に漂いまくっていた負のオーラが全くない爽やかな恋愛映画である今作、胸キュン大好物の私には結構ツボで楽しかった。特に何か奇抜で面白いことをやってる映画ではないけれど、若い男子と女子が自転車に乗って同棲して喧嘩して海に行ってというあえてのベタさが真面目にベタで良かったと言うか。お互い大酒飲みとはいえ乙女は乙女。多分。
ろくでなしの母親という共通点はあるものの『テクニカラー』とはまったく役柄の違う洞口依子がかっこよかった。toeの音楽も意外な程映画に合ってた。すっごい今更、大学院まで行って映画を勉強すると普通に映画って上手くなるんだなと気付いた。
6月からユーロスペースさんでレイトショー公開されるそうなので、その際にはみなさんも是非〜。

昨日の小沢くんは犬じゃなくて熊だったっぽい。そうなの、私の買い物狂は体を張った社会への抵抗なの。

で、昨夜も真面目にヴィターリー・カネフスキー監督特集上映 に足を運び、『ぼくら、20世紀の子供たち』(93年)を鑑賞して無事完走。
ソビエト崩壊後路上で生活する子どもたちにカメラを向けたドキュメンタリー作品、10〜15歳くらいの少年たまに少女が瓶を売り盗みをし煙草を吸いお酒を呑み、たまに度を超して殺人を犯す、まあ言ってみれば西成のおっさんみたいな生活を生きている。その彼らの顔が見ててどきどきするくらい屈託なく素直なのが衝撃的過ぎた。監督の不躾な質問にもすっごい軽いノリですっごい重い答えを返したり。しかもその言葉がいちいちめちゃくちゃかっこよくて、実は台本あるんじゃないかと疑いたくなるくらいのセリフで。これはちょっとすごいもん見てもうたなあと久しぶりにショッキングでした。見て良かった。でもここでの圧倒的な女の子の少なさはさすがにちょっと引っかかって、多分彼女たちはその歳で売春してんだろうなあ。
映画の中盤、度を超した子どもたちが入る更生施設の檻の中で満を持して成長したワレルカくん登場、そのドキュメントもすごいけど彼が本当の犯罪者になってしまったのは幼少の頃あんな映画に出たからじゃねーのかとちょっと思ってしまった...。でもここでも不意をついて大人になったワーリャちゃん登場、すっかりミニスカートの似合う美女に。ドキュメンタリーでも相変わらず映画の中で唯一の救いな彼女なのであった。あっぱれ。
見ながら、ロシアの刑務所ってこんなに自由にお洒落が楽しめるものなのかとびっくりした。今でもそうなのかな?
なんてね。カネフスキーについては私なんかどうこう言うよりもっとすごいオチがあるとかないとか。

今夜は、駒沢のオサレなイタリアンにて三十路ミーティング。仲良し同級生の中でついに独身が私だけになるとかならないとか。わん。
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怠惰なあたしのために早速のアンコール上映ありがとうバウスシアターさん、ってことで渋谷での特集を見逃しまくっていたヴィターリー・カネフスキー特集上映 へ。レイトショーと思ったらうっかり20時開始なので要注意。
今回初見の『ひとりで生きる』(91年)は前作『動くな...』の続編で、15歳になった主人公のワレルカくん成長物語。ロシアのクソ寒そうな町を転々とする少年を見てるだけでそれはそれはもちろん大変面白かったのですが、あまりにも救いのない不幸な状況のオンパレードに見ててちょっと疲れてしまった...。彼が不幸と言うより既に世界が不幸過ぎて。なんの前触れもなく不意に現れるワーリャちゃんの存在だけがワレルカくんにとっても私にとっても心の支えでありました。いくら撮影とはいえ少年少女にこんな体験をさせるって、映画監督ってひどい生き物だなと改めて思った次第。
学校で散々悪いことして先生に呼び出されて反抗して殴られるってのはいつの時代もどこの国も同じなのねとひとりしみじみ。まさか裸にされたり犯されたりはしなかったけどさ。火だるまになった鼠が逃げ惑う姿を生まれて初めて目撃、あまりのことについ笑ってしまった。私もいつか水たまりに浸かって寝ているところを通りすがりの知り合いに拾われる酔っぱらいになってみたいなとちょっと思った。

なんてね。お馬鹿映画見てるだけじゃなくたまには真面目にお勉強してるんですよ、ってことで本日は「40年目の、シコシコ・模索舎」 なるイベントに天気の良い連休最終日に行って参りましたよ。
模索舎 さんとは新宿にある、「通常の書店とは異なり、卸業者である取次ぎを経由せず、出版社や制作者の方々と直接取引をしながら、一般書店で置かれることのない少部数の出版物やミニコミを、原則無審査で取り扱う」(パンフレットママ)素敵な本屋さん。って実際には4、5回しかお店を訪れたことないんですけど...。でも本当にすごく楽しい場所なんで興味のある方は是非。
イベント自体、第一部は模索舎の歴史から社会運動の歴史から現代日本の警察国家っぷりを網羅するとてもためになる内容(って、寝坊して遅刻したため前半聞き逃してるんですけど... )、第二部は廣瀬純さんの期待を裏切らない抱腹絶倒なトークを満喫、今回のキーワードは「モンタージュの常なる更新」だなとひとり納得して満足。詳細はもっと真面目な人に聞いてみてくらさい。
それにしても、こんなに普段とは毛色の違う場所に行っても第一部第二部共に出演者に顔見知りがいる自分の交友関係が我ながらよくわからない。
それにしても、さすがにこんな場所にシャネルのアクセサリーとエルメスの腕時計とプラダのバッグで赴くのは何か間違ってたらしく、喫煙所で見知らぬおじさんに突っ込まれた。ちょっぴり反省。

低気圧と生理痛と呑み過ぎでへろへろの体を引き摺ってわざわざ強風の休日の新宿まで出てきたのにお目当ての映画が満席だと知った瞬間には本気でシネコン放火してやろうかと思ったけれど代わりに急遽見たラリー・チャールズ監督『ブルーノ』が最高に面白かったので全部許す。
サシャ・バロン・コーエン(MTV授賞式でエミネムにお尻乗せてた人)演じるオーストリア出身のゲイ、ブルーノくんがセレブになることを夢見てミラノやロスや中東で大暴れ。全篇えげつない下ネタ&差別ネタで彩られた素晴らしい80分。ゲイ団体からは「誤解を招く」と反発を買ってるらしいが、そいうことじゃない、と思う。
ネタのひとつひとつが本気で笑える上、解説を読む限り本当にやばいことをやってるそのほとんどがドキュメンタリーとも言える程危険な撮影をしているとのことで、すごいの一言につきる。例えば、パリス・ヒルトン目指してセックスビデオを撮るために本物の政治家との密室でのやりとりを隠しカメラを仕込んで撮影したりテロリストの人質になって有名になるためにビン・ラディンの手下に誘拐してくれと頼みに行ったり。こういうコメディに対しては映画としてどうこうよりとりあえず面白ければそれで良し派(英語の訛りが理解できればもっと笑えたんだろうけど)。個人的に大好きだったのは黒人の養子をiPodと交換ネタと、両手にバイブを持ったゲイに襲われた時の護身術の意味なさ過ぎさ。思い出しただけでも笑える。それでもラスト、マッチョな奴らが客席から「ホモは死ね!」と罵声を浴びせる中ステージ上で絡むシーンと、詳しくは書かないけれど最後のレコーディングシーンには軽く感動させられたりもしたり。前作『ボラット』を見逃してることが本気で悔やまれる。みんなも『ブルーノ』見てね。
そしてやっぱり連休の中日の夜にこんな映画を見に来るお客さんはみんないい人で、おひとり様率が高いのに劇場は大爆笑の渦。ええこっちゃ。

最近のジャニーズはみんなホストに見えてさっぱり見分けがつかないんだけどこの子はなんかちゃうんやねえと荒戸源次郎監督『人間失格』 をようやく。原作小説は読んでるんやろうけど自分でもびっくりする程内容を覚えていない。ってか久しぶりに行ったけどシネセゾンさんのビル、なんかどえらいことになってたんですね。恐るべしユニクロ。
それはともかく。全体的な感想としては、太宰もの映画『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』の上品で真面目な面白さとはまた違った、真っ赤な花びらや打ち上げ花火がなんともいかがわしくてこれはこれで面白いと思った、が、監督の前作『赤目...』を見た時にも残った何かが肌に合わない感が今回も残尿感のように。なんやろ、多分テンポとかリズムとかものすごく個人的な感覚程度のことなんだろうけど。最後の三田佳子的な存在ももちろん好みではないけれど。
でもまあ、最初は笑顔が可愛過ぎるかなと思った生田斗真くんも一回目の自殺未遂以降からだんだん堕ちた感じが板についてかっこよかったから良かったのだ。小池栄子やら石原さとみやら女優がいっぱい出てるのに唯一のキスシーン相手が室井滋ってのは誰かの悪意なのだろうか。森田剛の中原中也も頑張ってるのはわかったけど、せめてもうちょっと眉毛が生えるまで待てなかったのか。伊勢谷友介は、もうええわ。

それはともかく。今日本で一番正しく感動的なヒップホップを実行してるのはモンスターエンジン西森だと思う。騙されたと思って最後まで聴いてみて。ほんまに泣けるから。

憧れのビッチNo.1、エヴァ・メンデスちゃん目当てで見に行ったヴェルナー・ヘルツォーク監督『バッド・ルーテナント』 がなんともおかしな映画で面白かったのでした。なんかのリメイクらしいが元ネタは未見。劇場がえらい混んでるなと思ったらほとんどが『食堂かたつむり』だったぜ。
一応は正義感に溢れてた刑事がクスリに溺れ徐々に狂っていくってだけのお話が、とりあえず、ニコラス刑事が3分に一回「fuck!」と叫び5分に一回ヘロインを吸いたまにコカインと間違えハイになってラリりまくってる姿を見てるだけで充分満足。『リービング・ラスベガス』以来やっぱりニコラスにはとことん堕ちた男の役がよろしい。クスリ以外にも博打だの賄賂だの最低なことしかしてないのにだいぶ切ない。駐車場と老人ホームで暴走するシーンにはひとり大爆笑。よくこんな映画作れたなと感心するぐらいひどかった。イグアナや魂の幻覚(あれってワニも幻覚なの?)も意味はよくわからんけど良かった。お目当てのメンデスちゃんの出番がちょっと少なかったのは残念やけど涙をこらえながらインサイドラインを入れる顔はやっぱりめっちゃかっこよかった。私も47都道府県でセックスすればあんな女になれるのかしらん。

なんとなく、「神聖かまってちゃん」を若い時に聴かなくてよかったと思う今日この頃。

みなさん、酔っ払って家に拾って帰るのは猫か人間だけにした方がいいですよ。へらへらしながら道に落ちてた重箱持って帰って、朝になったら邪魔でしゃーない。

昨夜は、気付いたら手元にチケットがあったから、ってそんな理由だけじゃないけどユーロスペースで開催中の「桃まつりpresentsうそ」 の「壱のうそ」にお邪魔。竹本直美監督『迷い家』増田佑可監督『バーブの点滅と』福本明日香監督『shoelace』を立て続けに鑑賞しながら、うーん若い女性監督という固定観念を持って見てるわけじゃないけどああやっぱり若い女性監督なのねと思ってしまうこの感じはなんだろう、ものすごくざっくり言うと全体に漂う不幸感みたいなものがうーん正直こんなん今更もういいなあと思ってしまっていたところに船曳真珠監督『テクニカラー』が唯一そういう世界から逸脱している立派なコメディ映画で、大変面白かったのでした。出演者がみんなすごく良かったのあるけど、ちゃんとギャグに声を出して笑えたのがすごい。小野ゆり子の脚線美がすごい。低予算映画を見て久々に満足いたしやした。もちろん『迷い家』の日本家屋も『shoelace』の個人的に痛過ぎる脚本も面白いなとは思ったのですが。

観賞後大雨に打たれながらにやにや打ち上げに参加した結果酔っ払い過ぎて買ったばかりのキャス・キッドソンの傘をどっかに忘れて帰宅。かなり凹む。
  

朝っぱらからまさかのiPhoneパニックに振り回され急遽渋谷やら新宿やら動き回った後ぐったりしながらシネコンに飛び込んでみたらちょうどいいタイミングで上映してたので行定勲監督『パレード』 を見てみた。いつのまにかベルリンで受賞してたんですね。
希薄な人間関係で共同生活をする若者5人の、それぞれの問題と孤独を気の利いた演出とオシャレな映像で見せる、ああなんか若者が好きそうな映画だなあとぼんやり鑑賞。事実劇場は若者たちでかなり混雑していた。
なんやろ、そこまで文句言う気にもならないし吉田修一っぽい屈折した内容は面白いとも思ったんだけど、どうもメインの俳優たちの、普段とは違う素な感じをめちゃくちゃ頑張って出してみました的芝居に白けてしまったと言うかTV芝居を映画で見せられてもと言うか。ジャック・ロジェを見た後にこんなん見る私が悪いのかもしれんけど...。唯一藤原竜也は良かった(でもあの雷とナイフの振りかざし方はいくらなんでもヒドい)。貴地谷しほりの安産体型はほんと立派だと感心したが女優としての存在に田中麗奈と同じ臭いを感じた。しかし大して金にも困ってなさそうな彼らがなんでこんなに狭い部屋でルームシェアしてるのかは最初から最後までよくわからなかった。こんな東京のど真ん中で撮影しまくるのはだいぶ大変そうでごくろーさまと思った。

昨日は、うっかりしてる間に日本で完売してしまっていたカルティエの限定時計が無事フランス発ドバイ経由で大塚の私の元に届いて一日しあわせ。超可愛い。母の力は偉大なり。

本日は、これで無事完走な「ジャック・ロジェのヴァカンス」でやっと『オルエットの方へ』(71年)を鑑賞。
今まで見たロジェ作品の中でも最もストーリーらしいストーリーはなく、本当にただ若くて可愛い三人娘が海辺の別荘でわーきゃー騒ぎながらヴァカンスを過ごしてるだけの映画。それが161分という結構な長丁場なのにこれっぽちも退屈しないどころか常に涙をこらえるのが大変な美しい映画でございました。夕陽が波が赤い雨戸が白いネグリジェが、いちいち泣ける。まともな音楽はほとんど流れないけど彼女たちの笑い声で充分満足。
一応私も元少女ですからここに出てくる三人のように、酒もタバコもセックスもブランド品もなくてもほんとに何かが取り憑いたように箸が転がっても面白い時代ってのを経験しておりまして、その頃から声はハスキーでしたけど、その頃からプラダのバッグとか持ってましたけど、 その残酷な無邪気さと刹那さにこっ恥ずかしい程思いを馳せる。なんとなく一番印象的なのは嵐の夜に誰がスイーツを買いに行くかでうだうだやりとりをしその後盛り上がってケーキを食べまくるシーン。あれってあの場所にいないと絶対にわからない感覚で、そして私もかつていたような気がする。かつてね。
わざわざ戦車なんか動かさなくても女の子と海だけで人の心を動かす映画は作れるんだと改めて思ったりしたのでした。

あー「マツコの部屋」おもろい。

アカデミー賞を受賞したと聞いた翌日にはへらへらとキャスリン・ビグロー監督『ハート・ロッカー』 を見に行く羞恥心のないあたし(授賞式放送後「監督が美人で驚いた!」という声を多数聞いたけどそれで逆に驚いたのは世の中映画を撮るような女はみんなブサイクって思い込んでるもんなんですねえ)。で、それなりに期待して見た結果、突っ込みどころが多過ぎて困った。
まず、131分間なんにも起こらな過ぎて困った。もちろん舞台が戦争中のイラクなんだから常に戦争は起こってるんだけどそんなこと今更言われなくても知ってるし...。ひたすら爆弾を処理するという退屈さが面白さに繋がるわけでもなく、見てて疲れた。
まず、冒頭の「戦争は麻薬である」という字幕に対する応えがこの終わり方って、どこまで本気のなのか冗談のなのかわからくて困った。これって笑っていいの?もしこの映画通りの意味で麻薬なのだとしたら一番哀れなのは本人よりも妻子だろうよ。
まず、戦場の男三人組があまりにもステレオタイプなマッチョで困った。キャスリン監督が女性でありながら今まで執拗に閉鎖的でマッチョなホモソーシャル世界を描いてきたことは本当に偉大だと思うし『ラブレス』はもちろん『K−19』も結構好きだったのに今回はマッチョな世界にハマるあまりほんとにただのマッチョになってしまった感が。ミイラ取りがミイラになるって言うんですか。乱暴な野郎が実は子どもには優しかったり任務を終えた男たちが無邪気に戯れたり、だいぶ頂けなかった。せめてあそこで仲間同士がセックスするくらいなら感心したのに。
一応狙撃のシーンとか音の使い方とか幾つか良いなと思う部分もあったけれど、うーん、全体的には私には何が面白いのかさっぱりわからず。残念。
とか散々文句言いながら諸事情により金も払わずタダ見してるんですけどね。多謝。

そうそう、二日前に見た『コララインとボタンの魔女』について、親切な御方からあの映画はほとんどCGを使わずほぼ実写とミニチュアだけで作られているという情報を教えて頂く。それを知るといかにあのアニメ作品がすごいものなのかと改めて気付いて、愕然。

本気で求婚したい程好きだったはずなのにコスプレ劇以外の作品はいつまでたっても内容とタイトルがごっちゃになって(四季物語なんてさっぱり)何回解説を読み直しても果たしてそれが未見か否かがよくわからないのでとりあえず行けるだけ行ってみようとエリック・ロメール監督追悼特集上映アデュー・ロメール に足を運び「六つの教訓物語」の第一話から第三話までの『モンソーのパン屋の女の子』(62年)『シュザンヌの生き方』(63年)『モード家の一夜』(69年、始まってからデジタル上映だと気付いた...)を一気に見て、はっきりしない男たちがどいつもこいつもフラフラした挙げ句自分勝手に幸せになりやがってとムカムカしつつもああやっぱり死ぬ前に一度本人に会ってプロポーズしたかったと悔やまれる面白さだったのでした。出てくる女性がみんな顔も年齢も髪の色もバラバラなのに全員見事に美しくちょっとずる賢く撮られてるのがたまらん。特に『モード家の一夜』の布団の中で女がひとり話すシーンがすごかった。劇場内のお客さんにも若くてオサレな女子が普段より多く、さすがはロメール御大と感心。

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メイクアップ賞のプレゼンターとしてこの格好で登場し、でもそこに『アバター』はノミネートされていない、そんなベン・スティラーが私は好き。

3D映画を見る度「あ!また失敗した!」と後悔するのに今回もまたうっかりマスカラ5度塗りで行ってしまったためメガネに睫毛があたる違和感と戦いながらの鑑賞となってしまったヘンリー・セリック監督『コララインとボタンの魔女3D』 を近所にて。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督待望の最新作ということで、もちろん、アニメなのに全く子ども向きでないダークな物語と不穏な雰囲気(近所のおばあちゃんなんてまんま『ピンクフラミンゴ』。魔女に捕われた子どもたの亡霊がいる部屋なんてかなり普通に怖かった)はビンゴに私好みでそれだけで充分楽しかったのだけれど、今回は、メインのキャラクターが手作り感満載のストップモーションアニメで作られ、 彼らが迷い込むもうひとつの世界はCGで作り込まれ、更にそれをデジタル3Dで見せられるという、本当に初体験の映像世界に実際口をあんぐり開けてただ驚くことでいっぱいいっぱいになってしまった。いやーこれは是非劇場で体験して頂きたい。
仕事に夢中な両親に相手にされず寂しい想いをしてる少女が迷い込んだパーフェクトな世界、でもそこに住み続けるには自分の目をボタンにしなきゃいけない(その世界にいる理想の両親や友だちやペットの目も全部ボタン)、この監督どんなけ縫い目フェチやねんと突っ込むこともできるけど、そのお話だけでも中々興味深い。アニメはやっぱりアメリカ派。

いやーこんなクソ寒い雨の日曜日にひとりでこんな映画を見る私って偉くねー?と内心密かに思っていたら劇場のエレベーターに乗り合わせた池袋在住全開の地味ーなおばさんが「今さっき『ハート・ロッカー』見てきて、今日これで3本目!」と話しているのが聞こえてきて、なんかものすごい敗北感に見舞われる。

怠惰なあたしのために早速のアンコール上映ありがとうユーロスペースさん、ってことで見逃しまくりだった「ジャック・ロジェのヴァカンス」 にめでたくリベンジ、の前にふたつある劇場をうっかり間違え危うくロメールを見そうになる。それはそれでいいんだけれど。
ロジェ監督の長編第一作という『アデュー・フィリピーヌ』(62年)を鑑賞。冒頭「アルジェリア戦争6年目の年」と字幕が出たのでちょっとは暗い映画なのかと思いきや、本当に110分間いい加減な若者たちが親に怒られながらもロクに仕事もせず車を乗り回してナンパしてデートしてヴァカンス行って海辺できゃーきゃー騒いで喧嘩して仲直りしてるだけだった。でもそれが面白いのなんので大興奮。若くて可愛い女の子ふたりが喋りながらただ延々パリの街を歩いてるシーンを見てるだけでなんか泣きそうになった。でもそんな浮かれた時間が彼の兵役によって終わる時間が近づく切なさも、勝手にBGMを「さよならなんて云えないよ」にしてまた涙。やっぱり青春映画は馬鹿馬鹿し過ぎて哀しいくらいが良い。

昨日の日記に誤字がありまくりでほんと失礼致しました。しかも佐向監督の作品初体験とか言いながら実は05年9月の爆音オールナイトで短編を拝見していたのでした...。いい加減でごめんなさいです...。

そー言えば私この映画のクレジットに名前出てるんやったと思い出し、二日酔いの体を引きずって池袋シネマロサさんに佐向大監督『ランニング・オン・エンプティ』 を見に行った。佐向監督初体験(脚本の『休暇』は見たけど)。
今っぽい若者たちが今っぽい会話を繰り返しながらちょっとだけ本気で走ってみた、そんな説明しかできないような、不思議映画。しょうもない会話がただ続くだけのシーンなんかは決して嫌いではなかったしエンプティな感じは笑えたんだけど、主人公と映画の距離感が最後までよく掴めなくてちょっと困った。なんか、すっごい寸止め感が残るというか。こんな話ならもっと近くてもよかったんじゃなかろーか。巨大な工場や煙突から出る炎もただ後ろにあるだけじゃなくもっと面白く使えそうな気が。80分というこじんまりさは悪くなかった。
ヒロイン役のみひろという女優がどことなくジェシカ・アルバっぽくて可愛くて立派なビッチなのが良かった。杉山彦々は相変わらずずるいくらい面白かった。まあこの菅田俊もだいぶずるい。 この映画を見て私がどこに協力してるか気付けた人はかなりの私マニア。

ベスト盤購入を機に15年ぶりくらいに聴き直してみたら、今かなりソウルセットがマイブーム。仲間募集。

この監督の映画を見る度うーんやっぱり何がいいのかよくわからんと思うのに(って言える程の数を見てるわけでもないけど)今回もやっぱりベネロペの誘惑に負けてペドロ・アルモドバル監督最新作『抱擁のかけら』 を見てしまったのであった。
視力を失った元映画監督が過去に愛した女と映画を振り返る物語が、ヒッチコックの映画みたいなサスペンス仕立て(ってこれもそれ程見てるわけじゃないんですけど)で進んでいって、真っ赤なスーツを着た女が階段から転げ落ちるシーンなんかは結構面白かったんし、主人公が老いた映画監督だったり数年前の彼が映画を撮影中という設定がメインだったり女優として仕事中のベネロペを更に恋人の息子が監視カメラで撮り続けてたり読唇術と本人の声が重なる瞬間だったり映画自体が映画を再編集するという話だったりと色々考えられたことが面白いと思わなくもないけれど、最終的に、うん私はこののっぺりした画面が生理的に好みじゃないんだなと気付き、終了。ごめんなさい。スペインっぽい色彩感覚は大好きなんだけどなあ。
それでもというかやっぱりというか、今作のベネロペ・クルスの美しさは尋常じゃなく、彼女のコスプレと愛に悩む姿を眺めるだけで充分楽しかったの言えば楽しかった。こんな女がいたらそりゃ人生狂うわなと心底納得できる。それにしても、大富豪と映画監督に愛されて苦悩するって相当めんどくさそうで絶対やだ。

なんか、こういう映画が見たい気分だったんです、ってことでサービスデーのシネコンにひとりゲイリー・マーシャル監督『バレンタインデー』を見に行く健気なあたし。
詳しいことは何も知らずただ私の大好物なアメリカラブコメ映画かと思ったら、確かにそうだけど出演者がジュリア・ロバーツやジェイミー・フォックスやジェシカ・アルバやアン・ハサウェイやとやたらと豪華でびびった(すっごいちょい役にキャシー・ベイツまで)。で、そのメンツをなんとか活かすためにと頑張った結果映画が長くなり過ぎて後半だいぶダルかったのが残念。2月14日を舞台に、バレンタインってだけでよくここまで騒げるわと呆れる程どいつもこいつもジタバタしてる群像劇は決して嫌いではなかったけれど。っていうかむしろ普通に胸キュンしてたけど。アシュトンくんやっぱ可愛い。野外映画の上映シーンではちょっと泣きそうになってしまったぜ。
10代の初体験やら若者のプロポーズやら不倫やら独身女やらわかりやすいネタの中にきちんとゲイ(しかも有名人)を挟んでくるのはさすがアメリカとちょっと感心、物語に全く関係ない超ナンセンスな高校生のインタビューシーンが妙に長い時点でこの監督なんかおかしいなと思ってたらジェイミー・フォックスにものすごい自虐ギャグを言わせたりして(多分観客の9割は気付いてないやろうけど)、気が合いそうな予感がした。久しぶりに見たジャッキー映画ばりのNGシーン特集も私好み。と相変わらずラブコメ映画には弱弱な三十路であった。

全然関係ないけど今目の前に吉田秋生とくるねこ大和と西原理恵子と東村アキコの新刊が並んでいて、だいぶ幸せ。