タイトルもろくに言えないままポルトガル映画祭2010 にてアントニオ・レイス&マルガリーダ・コルデイロ監督『トラス・オス・モンテス』(76年)を見てみたのですが、これがなんとも不思議映画で、自分でも清々しいくらい物語の内容は一切理解できなかったのですが、108分間壮大な詩みたいな映画だなと思って今チラシを見て監督が著名な詩人だったと知りました。なるへそ。
トラス・オス・モンテスという田舎の村を舞台にそこの人々が働いたり子どもたちが転がったり時間を越えたり手を振ったりロバと羊がうじゃうじゃしてたり、そんなだけなのに見ながら色んな映画を思い出した。けど言わない。日本初公開だそうで、見れて良かった。
と幸福感に浸ったのも束の間、映画後のメールで仲良しの友だちが既に大阪の実家に引っ越してたことを知り大いにショックを受ける。貴重過ぎる東京の女友だちがこれ以上減るのはキツい...。
  

「LOVE and EROSシネマコレクション」 という映画の企画があるってこと自体人から教えてもらったのだがそこで内田春菊が初監督をしてると聞いてちょっと見たくなったのでテアトル新宿さんに『お前の母ちゃんBITCH』を見に行ってみた。結構がらがらの劇場でピンポイントに座席を指定したのにそこだけが埋まっててショックだった。
童貞ではないけれどウブな青年がビッチな人妻とああだこうだ、映画としてはちょっといかがなものかと思う部分が多々あったもののやっぱりセックスに関する細かい会話とか描写には思わず声を出して笑ってしまった。一緒に見てた男性が「挿入で女はいかないと言ってしまった新しい映画」と仰っていたのだが、まあそういうこと。月並みですけどハタ迷惑なドリームを抱きがちなボーイズたちが見て軽くショックを受けてみればいいんじゃないでしょうか。いい感じに中年になってる鈴木砂羽が可愛かった。

深夜、またも中原昌也氏にすごくいいお言葉をかけてもらった、気がするのに、その横で某映画監督が女王様に股間を踏みつけられてる姿ばかりが記憶に残っている。無念。

雨とは言え涼しくなったのでようやっと宮益坂を登る勇気が出たのでイメージフォーラムさんにてやたら評判のよろしいホセ・ルイス・ゲリン監督『シルビアのいる街で』 を鑑賞。監督はスペイン人。
予告を見て、ああ私もこんなイケメンにならストーキングされてえと思ったのだが、映画一本まんまイケメンが女をストーキングしてるだけだった...。主人公の男が美しくなかったらただのホラー。
いやもちろんこの街の光の美しさとか音の複雑さとかすっげー細かく超大変なことをやってらっしゃるのはびんびん伝わったのだが、その全てがあまりにも監督が映画でやりたいこと!的な色気がむんむん過ぎて(車から流れる音楽とかさすがにちょっと興ざめしかけた)、で映画は結局それ以上になってない気がして、まあ、普通だった。なんかごめん。カナザワの後遺症か、ラスト、駅のホームで大勢の女たちが歩き回るところ、これ実は主人公がストーキング殺人鬼で周りの女が全部殺された亡霊だったら面白いのにと不謹慎な想像をしてしまったり。なんかごめん。

昨日、なんとなく風邪のひき始めっぽかったので家でおとなしくTV鑑賞、真面目に『LIMIT OF LOVE 海猿』を見ながら大爆笑しつつも自衛隊を使ったマッチョイズムの大洪水ってかなりタチ悪いなあと吐きそうになったりしたのだが、本日ようやっと参戦できたフィルムセンターさんで開催中のポルトガル映画祭2010 で、マノエル・ド・オリヴェイラ監督『春の劇』(63年)&『過去と現在 昔の恋、今の恋』(72年)を見てだいぶ落ち着きを取り戻せた。いや十分ふたつとも手に負えないぶっ飛びさで見ながら非常に混乱したのだけれど。
日本初公開だそうな『春の劇』、キリストを演じてる村人さんの困惑した表情を見てるだけでこっちも緊張するような。小さな村で素人に芝居をさせて『海猿』の数億倍面白いアクション映画って作れるんだなと感動しました。
なんとなくポップなタイトルに騙された『過去と現在 昔の恋、今の恋』、そんな無茶なってくらい怖い映画だった。全然内容にそぐわない場面でやたらと流れる「結婚行進曲」が怖い。集まってる仲間同士が全然仲良しに見えないのが怖い。恋愛相手が死者だとか死んだと思ったら生きてただとか、君と好きな人が100年続くどころの騒ぎじゃない大人の愛の物語に感動しました。新作が楽しみ過ぎる。
土日のフィルムセンターさんは混み過ぎるのが苦手で今でほとんど行かなかったのだけれど今回はさすがに入場時間が早めに設定されてて入りやすくて安心したのでした。

旅行疲れやこの寒暖差や台風による低気圧で身体はガタボロ、ラテン祭りもポルトガル映画も行き逃しまくりで傷ついた心をガッキーの笑顔に癒してもらおうと土井裕泰監督『ハナミズキ』 を見に行ってしまった私が馬鹿なことはわかってる。
ど田舎の若者がくっついたり離れたりくっついたり、一体誰が何を伝えたくてこの映画を作ってるのか、何ひとつ受け取るもののない茶番劇。で最終的には世間の荒波に負けて地元に戻ってくる負け犬たちの物語。ニューヨークロケはほんまタチの悪い無駄遣い。物語が動くきっかけとなる事件の起こるタイミングが全て唐突過ぎて今までの脚本の流れとかなんだった?と椅子からずり落ちる(WOWOWで見た『涙そうそう』もそんな映画だったような気が)。
と、この程度の怒りは想定の範囲内だったのだが、さすがに、難病の次はテロと戦争まで使ってでも人を殺して客を泣かすという悪質さは想像してなくて、びっくりした。作ってる人たち本当にくるくるぱーなんだなあと悲しい気分で見てたら、ヒロイン(早稲田出身の設定)が友だちの結婚式に純白のワンピースという衣装で出席、笑えなかった。私のガッキーとNYの無駄遣い反対。
それでも終映後の女子トイレではすすり泣きの音が響いてて。私もここで泣けたらもっと楽な人生を過ごせたのかも知れないとぼんやり思った。

「世界怪談大会」というテーマの映画祭への参加は、限りなく適当に予約したホテルが偶然W高橋(高橋ヨシキ氏&高橋洋監督)と同じだったという時点で既に呪われていたのかも知れない...。
今年初めて参加したカナザワ映画祭2010 、初日の野外上映ジョゼフ・ステファノ監督『ジェラ・デ・コブレの幽霊』(65年、幻の映画として有名らしいが、知らんかった)が映写機トラブルにより開始が一時間以上押すという呪われっぷりから始まり、『ゼイリブ』『女優霊』『クトゥルーの叫び声』『ポゼッション』『リング』『降霊』を全作初見の霊的爆音体験という呪われてんだか幸せなんだかよくわからない映画体験、どれもこれも最高に面白かったけど怖いと言う点では爆音『女優霊』が一番だったかも。見た後夜ひとりでビジネスホテルに帰るのが本気で怖くて、久しぶりにシャワー浴びながら何度も周囲を確認したりした。十数年間スクリーンで見る機会を待ち続けてた『ゼイリブ』との出会いも感涙ものだったなあ。
映画以外にも、高橋洋&横山茂雄オカルト対談では狂ったインド映画から「小説」の論理までやっぱり本当に頭のいい人ってかっこいいなあと感動(周りの女子は全員初めて見る横山先生萌え)、平山夢明&宇多丸&高橋ヨシキの死ぬ程笑ったけど具体的にはマーシーの心配をしてたってことしか覚えてないバトルトーク2010と怪談新耳袋集団によるトークイベントを堪能して参りました。どう考えてもごはんを食べる時間が取れないタイムスケジュールがちょっと辛かったものの、それはそれは楽しい映画祭体験。ここでもこっそり乱入した打ち上げで、憧れの人や地元の人たちとお話しできて、それもすっごい楽しくて、贅沢な場所にいるなあとしみじみしたり。相手して下さったみなさま、本当にありがとうでした。
唯一の反省点は、初金沢なのにマジでノープランだったためほとんど観光めいたことができなかったこと(映画のために毎日通ってた21世紀美術館すらろくに見れなかった始末...)。来年こそは。
それにしても金沢ってほんと文化的でオシャレで素敵な街なのねー、大阪より全然イケてんじゃんとびっくり。地方ナメてました。
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呪われた野外上映のスクリーン。ビニールシートを貸してくれた金沢男子に多謝。
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期待通り旨過ぎた金沢の魚たち。漁師さんたちに多謝。

しかし実は今回一番の収穫は、初めて平山夢明さんトークを聞いて、その後直接お話まで出来たことかも知れない。久しぶりに身震いするくらい面白い人に会えた。ゼロをかける男。

いや確かに夏は殺したいくらい嫌いやけど何もそないに急に寒くならんでも。おかげで身体はがたがた、持病の神経痛が痛うて痛うて身動きとれず。なので明日からカナザワに逃避。
みんなにいいなーって言われるけど、ふと自分の一年前の日記を読み返してみたら丁度去年のこの時期胆のう摘出のために入院したり手術したりしてるのな私。まあその分を取り返すお祭りってことで。今のところマジで一人旅状態なので向こうで私を見かけた方、仲良くしてみて下さい。
帰京は21日予定、呑んだくれて延泊さえしなければ。
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保護色過ぎてうっかり連れて行ってしまいそう。

その間みなさまは友近七変化をお楽しみ下さい!

低気圧で身体はだるだるなもののうひょー涼しーとテンション上がってネイルサロンに行ってみたら私の爪を見たネイリストのおねーちゃんに「肝臓の検査受けた方がいいですよ」と言われました。イヤです。
そして篠崎誠監督『怪談新耳袋 怪奇』 を見ました。一ヶ月に二作品も同じ監督の映画を見れるとは。
今までの新耳袋シリーズは未見だし、この映画も1時間弱の作品二本立てってことを見て初めて知ったのですが、面白かったです。
一本めの「ツキモノ」は、多分ホラー映画の歴史や優れた作品にかなり無知な私には半分くらいしかこの作品の面白さがわかってないんだろうなあと自覚しつつ、でも幽霊と思ってたら周りの人間全員にその姿が見えるってことはこれはゾンビ映画なのかと気付き、運動神経抜群で怪力の女子大生ゾンビが大暴れする姿は確かに怖いものの、あまりにハチャメチャな映画っぷりに思わず笑ってしまったりした。ここで一番怖かったのは主人公がゾンビに狙われた理由...。幼気な女子大生に向かって偽善者て。
二本めの「ノゾミ」は打って変わって、とにかくゆっくり焦らされる時間の流れが怖い、水の流れが怖い、適当過ぎる精神科医が怖い、椿鬼奴に見えた霊媒師が怖い。で結局正体がわからなかった幽霊が恐い。普通にゾワゾワしながら見てしまった。 それなのに回想シーンの仲の良い母と娘の映像になんか泣きそうになってしまったり。一度で全く違う毛色の「ホラー映画」が楽しめるお得な時間、周りのお客さんが私以外完璧に妙齢の男性だったことだけが悔やまれました。ハロプロってやっぱりまだ人気なのね。

昨日は、久しぶりに誰とも会わずに家でひたすら猫とゴロゴロしてたらだいぶ復活。
なので本日は、オシキャットなら知ってますけどとユーロスペースさんにバフマン・ゴバディ監督『ペルシャ猫を誰も知らない』 を見に行ってみたら上映終了間近だからかほぼ満席で驚く。
西洋音楽が禁止されてるイランで許可されなくても逮捕されてもバンド活動を続け国外進出を夢見る若者たちを実際のミュージシャンが演じほぼゲリラ撮影で作られたという作品。見てとりあえず、イランの若者たちがとにかくお洒落で音楽のレベルも相当高いことにびっくり、と言うかもっとイケてないと思い込んでた自分を反省。歌が流れる間のPV風映像がだいぶダサいことがやや残念ではあったが、彼らが体を張ってまで牛舎や地下室でロックやメタルを演奏してる姿はやっぱり感動的だったし、特にテヘランの悪そうな奴はだいたい友だちっぽいB-BOYが唄うペルシャ語ラップはすっごい良かった。あれを聴けただけでも見て良かったかも。やたらと協力的な口の達者なおじさんがすごい上手いなーと思ったら彼はイランでも有名な俳優さんだそうな。そんな人がこんな映画に出るってのもすごいけど。ハッピーエンドではないだろうと予想はしてたけど想像以上にブルーな終わり方であった。ここで女性が圧倒的に少ないことと日本との関連については要再考。
西洋の文化を禁止し犬を外に出すことすら規制するのにバイクにノーヘル3人乗りは許される、やっぱりイスラム文化は難しい。
で、本日も映画後は真面目に直帰し、友近七変化を堪能。録画しとけばよかった!ってくらい面白かった。

昨夜、古澤健監督『maiking of LOVE』 の最終日に駆けつけたら立ち見続出の満員御礼というなんとも嬉しい事態になってた。えがったえがった。
試写以来二度目の鑑賞で初めて気付けた部分も幾つかあって、やっぱり改めて面白かった。実物も見たけれどやっぱりふるさわ監督の裸つるつるやなと改めて感心した。もしまたどこかで上映される機会があればみなさん是非是非。上映後の鎮西尚一監督の酔っ払った古澤監督の実態についてのトークも大変面白く、そのままふらふら打ち上げに引き込まれ「プロの監督です」と挨拶する古澤監督を眺めながら色んな方と楽しくお話するもさすがに連日の朝帰りがたたってそれはそれは大変珍しく途中で退散(っつっても4時くらいやけど...)。で、さっき起きたら体中が筋肉痛みたいに痛くて何もできないんですけど。

起きたら何故か夕方だったのでとりあえずシネマヴェーラさんの「映画史上の名作4」 に向かいラスト一本ヴィットリオ・デ・シーカ監督『ミラノの奇跡』(51年)だけ見てみた。モノクロフィルム映画なのに日本語吹き替え、という大変珍しい体験。
映画開始数分後の、キャベツ畑に捨てられてた少年と彼を拾い育てたおばあちゃんが床にこぼれたミルクを河に見立てて遊ぶ姿を見ただけでもの凄い幸福感、その後成長した青年はホームレスの仲間に入るもののちょっとうざいくらいええ奴に育った彼はとにかく周りをハッピーにする、まさかラストで本物の天使まで現れるのは予想外だったけど、ホームレスたちがお日さんの当たる場所でとりあえずおしくらまんじゅうするのとか水を掘り当てたつもりが石油やった!とか(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ばりに火柱上がってた)青年が息を吹きかけるだけで道が出来るのとか、どこまで本気かわからない程のはちゃめちゃっぷりが楽し過ぎて大満足。青年の魔法で軍隊の声が高くなった軍隊と律儀に信号を守る天使には爆笑した。
と素敵な映画のおかげで私まで幸せな気分に浸れたのも超束の間、映画館を出た瞬間ほんまに待ち伏せしてたのかってタイミングで近づいてきた長髪男に突然「高級娼婦の仕事、興味ない?」と言われ、無差別殺人でも起こしてやろうかってくらい気持ちが荒む。やっぱり私が悪いのか。

このご時世に未だ劇場内の喫煙所が健在という素晴らしい映画館ル・シネマさんにパスカル・ボニゼール監督『華麗なるアリバイ』 を見に行ってみたのですが、これ見る前は、アガサ・クリスティーが原作のミステリーってことくらいしか知らなかったけど実は監督も俳優もかなり有名な人たちだったのですね。通りで面白かったです。
週末のお屋敷に集まった親戚や友人たちの中で起こった殺人事件を巡る男と女のあれやこれやが、本当に大人が撮って大人が演じてる大人な映画で、久しぶりに落ち着いて映画見た感じがした。CGとか大袈裟な音楽とかがあるわけでは一切なく、もちろん難病も犬も出てこず、楽しかった。なんでこういう映画が日本で作られないのかしらね。ラストでパリのアパルトマンの屋根に上ったりしてリヴェットみたいと思ったらばりばりそういう筋の監督さんだったのね。
ミュウ=ミュウが可愛くて、こんなおばちゃんになりたいと思った。ランベール・ウィルソンのはまり役っぷりに笑った。ジャック・ドゥミの息子って初めて知ったー。

特に問題なし、と診断してるのになんやかんやと理由をつけて次回の予約を入れたがるおじいちゃん歯科医がただの私目当てなんじゃねーのと思ってしまうのはただの自意識過剰なんだろうかと独り悶々としながら篠崎誠監督『東京島』を見に行ったのでした。
桐野夏生の原作は読んだし監督御本人からも色々お話を伺ったり既に見た人から噂を聞いたりしていたので期待と不安入り交じりながらの鑑賞だったのですが、私は結構普通に楽しんで見れてしまった。
無人島に漂流したひとりの女と23人の男、原作小説をナレーションなんて使わずに不親切にまとめた脚本に感心したし、最初は主演の木村多江が原作のイメージとだいぶ違うなと思ったもののだんだん頭悪いくせに強かで厚かましい本当にイヤな女に見えてきて、良かった。男と話すときのアホっぽい喋り方が笑えた。彼女がもっと性欲に対して貪欲な姿を出して欲しかったという不満と最終的にいい人に見えかねないという不安は残るものの。あんな場所で撮影なんて日焼け対策とか超大変そう。あとやっぱり窪塚卍ライン洋介が抜群に良くて見てて楽しかった。ユタカとの会話よりもワタナベとのやりとりをもっと見たかったくらい。ただ彼以外の若い男衆が無人島にいるという設定にしては小綺麗過ぎたのはだいぶ残念であった。大友良英の音楽が素敵だったのでやっぱりもっと音響のいい劇場で見ればよかったとちと後悔(暑さに負けて近所で見てしまった)。
映画とはあんまり関係ないけど、中学生の頃の将来の夢がエルメスジャポンの人と結婚することだった私(未だ捨てきってはない)としては冒頭からあのオレンジが眺めれて嬉しかったりした。

チラシを眺めても既に知ってる名前がほとんどないのでどれに手を出していいか分からずとりあえず今年の映画美学校映画祭2010は『演出実習2010』だけを見に行ってみた。
佐藤央監督『暗くなるまで待って』大工原正樹監督『破壊くん』西村晋也監督『ON THE BEACH』古澤健監督『パンツの名』小出豊監督『わたしは人間ではないダイナマイトだ』高橋洋監督『おそらく悪魔が』と、それぞれ10分未満の短編作品を立て続けに鑑賞、どこまで意図的なプログラムか分からないけど後半に進むに従って映画が狂っていって、ラストの高橋監督作品はかなりどえらいことになっていた。面白過ぎて頭おかし過ぎて。ラストのタイマンには本気で度肝抜かれた。もしどこかで上映される機会があれば是非見てみて欲しい。マジでやばいから。あと、作風的に最近の古澤監督の屈折ぶりが他人事ながらちょっと心配になったりした...。
上映後の打ち上げに紛れ込んだ、つもりが気付いたら新宿にいて、それはそれは大変珍しく中原昌也氏からものすごく感動的なお話を聞いた、気がする。

足痛い、腕痛い、肺痛い、そんな体を癒すためにジョー・カーナハン監督『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』 を見に行ってみたら、だいぶ癒された。大人気だったらしいTVシリーズは全然知らない。
米軍特殊部隊の4人組男が大暴れするだけの映画な気がしなくもないし、コメディ映画としてはちょっとテンポが悪いのでもう少しシンプルな脚本にして90分くらいに再編集してほしいと思わなくもなかったが、こんな馬鹿馬鹿しい映画を作ろうと思った大人たちの存在にとりあえずリスペクト。いちいちのギャグがすっごい大掛かりなのにすっごい下らないのが素晴らしかった。もしかしてと思ったけれどまさか本当にやるとは思わなかった「3D映画」には爆笑。戦車が湖に落ちるまでとかコンテナを駆使した作戦とか、考えついた人がすごい。
最近よく見かけるブラッドリー・クーパー(『バレンタインデー』の役がお気に入り)全然好みじゃないけどなんか好き。リーアム・ニーソン、渋いのはわかるけど全身から漂う生真面目さがあんまりコメディには向いてないんじゃないかしらと思ってしまった...。

美術館好き(特に美術好きってわけではない)としては予告の時点で萌えだったウケ・ホーヘンダイク監督『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』 を見てみた。
アムステルダム国立美術館の改築工事を追ったドキュメンタリー映画、が、冒頭は新しいデザインも決まり建築家の喜びの声で始まるのに途中から市民団体との衝突や展示品を巡る問題や役所とのいざこざやと問題が起こりまくって工事が再開しないまま数年も過ぎ最終的には館長辞任にまで至るというものすごいドラマチックな事態に、監督さんはこんな作品になることをどこまで予想していたんだろうか...。あまりにもよくできた展開(当事者たちは超大変そうやったけど)が逆に久しぶりにちゃんとしたドキュメンタリー映画を見た気分になったりした。映画としてはもうちょっと面白く出来そうな気もしなくもなかったけど。
美術館を愛し過ぎな警備員と修復屋のおばちゃんが大変かっこよく、ラストに出てきてくれて嬉しかった。アジア芸術担当の若い男の子が日本の彫刻を眺めて泣きそうになってる顔にちょっと泣きそうになった。 役所仕事ってのはどこの国でも誰も幸せにしないんだなと改めて勉強になった。

数日前からガリガリくんが歯にしみて、すっごい憂鬱な気分で数年ぶりに歯科に行くも特に虫歯ではないと診断されてめっちゃテンション上がるも、その数時間後に若松孝二監督『キャタピラー』を見てまたテンションは下がる。サービスデー&映画の日だからか場内はほぼ満席。しかもほとんど若いお客さん。
第二次世界大戦中戦地から四肢をなくして帰宅した夫と彼を支える妻を描いた反戦映画、それはそれは立派だとは思ったけれど、言葉も喋れない夫演じる大西信満と苦悩する妻演じる寺島しのぶのほぼふたりのやりとりで進む映画がこれでもかってくらい熱演に次ぐ熱演で見せられるのには85分の作品と言えども見てて途中で疲れてしまった...。奇形とのセックスとか妻の暴力とか言いたいことはわからなくはなかったんだけど、これが映画だとも反戦だとも微妙に思えず。非国民でごめんなさい、日本人じゃないから許して。
ただこれ、夫が戦地で敵国の女を強姦したことがトラウマみたいにフラッシュバックするのって、そのバチが当たってこんな体になったみたいな誤解を若い子に与えるんじゃないかと他人事ながらちょっと心配になったりした。チラシの佐々木希のコメントがヤバい(アホ代表みたいな若者タレントにこんな映画を見せようとする映画会社の意図もヤバいと思うけど)。

帰りに立ち寄ったキリンシティで、笑えるくらいおっさんに鑑賞される。夏は暑いだけじゃなく変な人が増えるから嫌いなのです。