特に興味が有るわけでもないのに気付いたら監督作のほとんどを見てしまっている(って毎回言ってる)コーエン兄弟の最新作だというのでとりあえずチェックしとくかと『トゥルー・グリット』 を見に行ってみたら、これが想像以上の面白さで驚いたのでした。こんなばりばりのアメリカ映画の隣で『ランウェイ☆ビート』(3D)を公開してる国を憂いた。
14歳の少女が父を殺された仇討ちにアル中の凄腕保安官を無理矢理雇って復讐の旅に出る西部劇、既によく聞いたことのある物語だし特にものすごいことが起こってるわけでもないのに最後には泣きそうになってしまった(でも実際には涙は出なかったところがコーエン兄弟っぽいなとも思ったけど)。熊のかぶり物とかパンの撃ち合いとか、すごい面白かったけど今まではそれだけだった気がするのにいつのまにこんな。「ここで待つ」のくだりが妙にツボに入った。
前半ぺらぺらと生意気に喋りまくる小娘と後半ぐだぐだとどうしようもないことを喋り続けるおっさんの話の内容は実にくだらなく肝心なことはほとんど言ってないはずだし次々に現れては死んでいく悪者たちが一体どこから来た誰なのか全然わからないんだけど片腕をなくした娘は確実に立派な大人の女性になるのだ、ってことは冒頭のナレーションであっさり説明されてるんだけど。
大胆に川を渡る姿もアカデミー賞のドレスも素敵だったヘイリー・スタインフェルドちゃんも今回もさすがの影の消しっぷりだったマット・デイモンも非常に良かったけれど、私、ジェフ・ブリッジスが好き。本気で余裕で付き合えるんですけどと下心むんむんで詳細を調べてみたら父親と同じ歳で妙に凹んだ。
大して面白くないんだろうなあと薄々感じながらもなんとなくこのふたりの共演作は見とかなきゃいけない気がしてしまい近所でフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督(誰?)『ツーリスト』を鑑賞したら、想像通りかいやそれ以上に、ジョニーとアンジーがこの作品に出たのか、映画の脚本以上にもしかして何か裏があるのかと勘ぐりたくなる程何もかもがゆるくて、キャストが話題とか以前にこんなどんくさいアクション映画久しぶりに見るわとある意味感心したのでした。なんかバランスの悪い、おかしな映画だった。
パリとヴェネチアを舞台に謎の女アンジーとアメリカからのツーリストであるジョニーが偶然出会って事件に巻き込まれって、こんなマブい女が電車で相席してきた時点で人生最大の事件な気もするが、まあこのふたりが美しい街を舞台に動いてる姿を眺めるだけで8割満足できたからいちいち文句を言う気は起きない。しかしアンジーのメイクがゴージャス過ぎて時々叶恭子さんに見えなくもなかったのはちょっと残念。『ヒアアフター』に駆けつけた私ばりにパジャマ姿のジョニー様で走り回るジョニー様、「ボン・ジョビ」だけは笑えた。
そして昨日に引き続きまんまとイタリアに行きたくなった。今年どっかで行こうかな〜(学生時代ヴェネチアに行ってリチャード・ギアをチラ見した経験有り)。
大阪から、優しい言葉をありがとうDOOM!くんたち。確かに『堀川中立売』は今見たらちょっと感じるものが違うかもしれない。姐さんと呼ばれることに慣れていいのかよくわからない。
いくら病み上がりでもこれを見逃すわけにはいかぬと恐る恐る超久しぶりに渋谷に出て駅前のでかい画面が静かなことに感動しつつも人混みに怯えながらH&Mで散財した後(18時閉店に要注意)アッバス・キアロスタミ監督『トスカーナの贋作』にやっと辿り着いたのですが、これがもう、映画ボケした頭にはちょっと刺激が強過ぎるおかしな映画で、スクリーンの中で起こってるあまりの事態に途中から声を出してゲラゲラ笑いながら見てしまった。めちゃくちゃ面白かった。『イタリア旅行』は見たことないけど。
トスカーナで出会った男と女がドライブに出かけた先でカフェのおばちゃんに夫婦に間違われて、と内容を説明してもどうしようもないようなお話で、でもそのカフェのシーンからホテルの窓のラストまで信じられないような出来事の連続、鏡とアコーディオンの音色とジュリエット・ビノシュの立派な二の腕に心を奪われてる間に幸福な106分は過ぎていってしまった。延々と展開する女と男の会話自体はしょうもない痴話喧嘩なんだけどねえ。いやあキアロスタミさん恐ろしい。新作の資金誰か出してあげて欲しい。
映画の素晴らしさとは関係ないけど、この、夏の陽が暮れた旅行先での夕飯までの中途半端な時間の感じがすごく良くて、まんまとイタリアに行きたくなった。
映画復帰後第一作はなんとなくアメリカ映画がいいなあそれも楽しい気分になれそうなやつとをとウェス・アンダーソン監督『ファンタスティックMr.FOX』 を見に行ってみたら、大正解。動物の人形たちが喋って走って唄って踊る姿がもう可愛くて笑えて泣けて、ただでさえ手作り系アニメ大好きっ子の私のツボに入りまくり。一秒間24コマ撮りで総カット数125280ってちょっと本当に頭おかしいんじゃないかって気がしなくもないけど。
野生の本能で盗みを繰り返してしまうと言うお父さんキツネ、のわりには人間以上にかっこよくスーツを着こなしてばりばり二足歩行だったりラテン語を話したりする不思議というか勝手というかな世界での動物たちの飄々としたやりとりがたまらん。でもやっぱり最終的には真面目でファンタスティックな父と息子の物語だったけど。この人の映画を見る度、音楽や衣装や全体の色彩感覚が、もう先天的としか思えないセンスの良さにああ日本人って絶対アメリカ人に適わないだなとつくづく感じる。お母さんキツネのリンゴ柄ワンピースが普通に欲しかった。最後に光るのにはちょっと泣きそうになった。
ジョージ・クルーニーの渋い声も見終わるまで気付けなかったビル・マーレイの声も良かったし震災後の今この作品にお客さんもかなり入っていたうえ結構笑いも起こっていてああやっぱり映画っていいですねと感動したんだけど久しぶりに行ったシネスイッチ銀座さん、いっくらなんでもこれは映画を上映するってわりには音量が小さ過ぎる。節電なのか自粛なのかわからないけどさすがにこれはちょっとと思ってしまいました。
帰り道、ほとんどネオンの消えた銀座の夜ってのもなんか不思議な感じだった。すぐ慣れるんだろうけど。
いやあ参った参った、まさかこんなことになるとは。
二月末、どうにもこうにも改善しない体調をなんとかすべく緊急入院、までは良くはないけどまあ良しとして、ひとり病室に閉じこもってうだうだしてる間に地震が起こり津波が襲い、3週間後退院するときには水道水に放射能が混入してるなんて想像できるわけもなく。
震災の被害に遭われた方を思えばほんと大したことじゃないけれど、今回も私の体調を心配して下さった皆さま、本当にありがとうございました。身体の方はなんとか落ち着いた模様(一日3万円の個室に二十日以上幽閉された挙げ句、最終的には「何もかも自然に治ってきてますね...」で片付けられ、結局治療らしい治療は行われなかった...)。あ、ただ肺機能の低下が著し過ぎるとのことで、本格的に禁煙、か。か?お酒は止めろとは言われなかった、よ。出所祝い受付中。
一ヶ月近く毎夜40度近い熱を出し朦朧とした頭でもうこのまま死ぬのかしらんと血迷ったことを考えてる最中にTVをつければ大震災の映像がばんばん流れ色々苦しいけどそんなときにクリント・イーストウッド監督『ヒアアフター』が上映中止とのニュースを聞き慌てて病院を抜け出しパジャマ姿で新宿のシネコンに駆けつけてあんな映画を見てしまったらそりゃつくづく思うことも多々ありましたが、このタイミングでこの映画を見てほんとによかった、とだけはご報告。今まで嫌いな劇場だったけど唯一一日だけ延長して上映してくれてありがとうピカデリーさん。脱出して怒られてでも見に行くべきだと勧めてくれたおかしな大人たちにも多謝。
なので、何かと今は大阪に帰った方がいいんじゃないのと言ってくれる人もいるけどしばらくは東京で、ほぼ寝たきり生活だったため極端に落ちた体力が復活し次第またいっぱい映画を見るしかできないけど、早くいっぱい見たいです。

パジャマ姿で失礼、猫たちと私は元気です。みんなも元気でありますように。ぽんずさんは絵に描いたような花粉症で苦しんでおられますが(猫に水道水って飲ませても大丈夫なの??)。
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